3つ目の踏切を越えると最初の出光美術館駅。九州鉄道記念館駅からは500mしか離れていません。

ホーム上で観光客がたくさん待っています。

駅名標。有人駅です。ネーミングライツを出光美術館が購入。計画段階では「レトロ中央駅」だったそうです。北九州市は出光興産創業の地ということで大正期に建てられた倉庫跡を改装して2016年(平成28年)に美術館はリニューアル・オープンしています。出光昭和シェルの誕生によって「出光」の見慣れたロゴは出光美術館でしか見ることができなくなりました。

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駅を出ると左に出光美術館。手前の出光ロゴの描かれた三角屋根は収蔵庫でしょうか。その奥の四角いビルが美術館。

出光美術館の建物が終わった踏切辺りから、旧国鉄〜JR貨物鹿児島本線支線の外浜(そとはま)貨物駅でした。門司港駅からは0.9km。1930年(昭和5年)開業。

この辺りに外浜貨物駅があって多くの側線や貨物ホームもあったそうです。2008年に廃止され駅舎も2009年に解体されました。

この踏切辺りから先は、田野浦港まで3.4kmが市営田野浦公共臨港鉄道の線路になっていました。多くの専用線が分岐していました。ちょっと興味深いのが1987年(昭和62年)の鉄道事業法施行時の手続きミスからこの路線が無免許で12年間営業されていたこと。1997年(平成9年)にこのことが発覚、1999年(平成11年)全線を外浜貨物駅の側線扱いとすることで無免許営業状態を脱したという経緯があるのです。溯る1962年(昭和37年)には、市営田野浦公共臨港鉄道をJ当時の国鉄日豊本線下曽根駅まで延伸する計画が鉄道敷設法に追加されましたが、実現はされなかったワケです。

もう関門橋が見えてきました。

この辺りからが観光列車のメインのビューポイントになります。

関門海峡、海のすぐ傍を走ります。

直進しちゃうと海です。いやぁ、絶景哉!関門海峡と関門橋を一望できます。

観光列車には、ゆっくり走る理由(ワケ)があるんですね。本当に素晴らしい眺望です。

学生時代の友人が門司港出身で、この辺りには学生時代から何度も遊びにきていますが、あらためて観光レトロ鉄道はオススメです。歩くよりは少し速い、自転車程度のスピードでゆっくりと眺望を楽しむことができます。同乗するアテンダントに質問すれば色々と教えてもらえます。
では、【私鉄に乗ろう96】門司港観光レトロ線 その3 に続きます。

(写真・記事/住田至朗)