久しぶりにコラムを寄稿します。

私の第二の故郷と呼びたいくらい思い入れのあるブラジルと、鉄道の話題です。

2019年3月初頭に、ブラジル・リオデジャネイロではカーニバルがありました。

皆さんが「リオのカーニバル」と聞いて思い浮かべるあのパレードです。

実際は、巨大な会場で開催されるパレードの他にも、もっと小規模のストリートのパレードもあったりします。

カーニバル全体の話を始めると熱も入ってめちゃくちゃ長くなるので、ここではなるべく簡潔にお話しします。

日本の多くの方からすれば、サンバカーニバルは露出の多い女性をまじえて陽気に踊り狂い、お祭り騒ぎしているというイメージが強いかもしれません。

しかし、いわゆる「リオのカーニバル」はコンテスト形式のリーグ戦であり、出場者の多くは年間通してハードな練習を積み重ねたり、衣装や山車なども地域の人々や職人が集ってかなりの時間をかけ作業したりする、真剣勝負なのです。

各出場チームのパレードのテーマもふざけたものではなく、歴史上の人物や環境汚染などの問題を取り上げたり、政治的主張の強いテーマをもってパレードをすることもあるのです。

2019年の「リオのカーニバル」では、マンゲイラ(Mangueira)というチームが優勝しました。

正式名称はG.R.E.S. Estação Primeira de Mangueiraと言います。

ブラジル中央駅から「1番目の駅」

ポルトガル語でestação=「ステーション」、primeira=「第一の」。つまり1番目の駅という意味です。

昔は、ターミナル駅であるブラジル中央駅(セントラル駅)を出発して次の駅がマンゲイラ駅だったので「1番目の駅」と呼ばれ、そのマンゲイラ周辺地域で結成されたサンバチームの名前にも採用されました。

現在ではリオデジャネイロ市の郊外を走るスーペルヴィア鉄道(SuperVia)の赤色ライン、デオドーロ線の駅で、中央駅から数えて4番目の駅です。

ちなみにマンゲイラの本拠地は、2016年リオデジャネイロオリンピックの開会式・閉会式が行われたマラカナン競技場の近くの地域。

サッカー好きの方は“マラカナンの悲劇”という言葉を聞いた事があるかもしれません。そう、1950年ブラジルで開催されたワールドカップのメイン会場でもありました。

次回からの記事は、今年優勝したマンゲイラのパレードソングの歌詞を読み解いていきたいと思います。

<noriji>
ライター・ポルトガル語通訳・翻訳・DJ。ブラジル音楽フリーペーパー(https://www.jornalcordel.com)2代目編集長。’15-17リオデジャネイロで日本人宿。リオ観光サイトRio Tips(https://brasiltips.com/rio/)管理人。ウートピ、ラティーナ等に寄稿。中国語勉強中。(記事中の鉄道画像は noriji 撮影)