【norijiの鉄視点 018】私は歴史書に載らないブラジルが見たい_Mangueira 2019 詩に込められた想い(1)

2019.04.06

前回お伝えした通り、2019年リオのカーニバルで優勝したチーム、G.R.E.S. Estação Primeira de Mangueira(マンゲイラ)のパレードソングの歌詞について紹介していきます。

タイトルは「Histórias para Ninar Gente Grande」(大人のためのおとぎ話)。

歴史の教科書や書籍に載るのは大抵、ヨーロッパから来たポルトガル人などの白人、いわゆる勝者側の視点から語られる話。

ですがこのパレードでは、そのブラジルという同じ国の歴史を、スポットライトの当たりづらい“敗者”側からの視点で語っていく内容です。

通常、ブラジルはポルトガル人に「発見(descobrimento)」されたと書かれますよね。

しかし元からいた者から見れば「侵略(invasão)」です。

入植者の栄光が礼賛される裏側には、先住民や奴隷となった黒人が自由や権利を獲得するために闘い、血を流した苦い経験があるのです。

マンゲイラが願うのは、そんな「歴史」が語らないブラジルが尊重されること。黒人、女性や先住民などのマイノリティもリスペクトされる国―――。

―――そこで今回は、全体の5パートのうち、2パートの日本語訳を載せます。

「歴史」が語らない歴史を語らせてほしい

Brasil, meu nego
Deixa eu te contar
A história que a história não conta
O avesso do mesmo lugar
Na luta é que a gente se encontra

我が友、ブラジルよ
語らせてほしい
「歴史」が語らない歴史を
同じ場所の裏面を
我々が直面する戦いの中で

私は歴史書に載らないブラジルが見たい

Brasil, meu dengo
A Mangueira chegou
Com versos que o livro apagou
Desde 1500 tem mais invasão do que descobrimento
Tem sangue retinto pisado
Atrás do herói emoldurado
Mulheres, tamoios, mulatos
Eu quero um país que não está no retrato

我が相棒、ブラジルよ
マンゲイラが到着した
書物から消されたページと共に
かの1500年より あったのは発見ではなく侵略
踏みにじられた朱殷の血が
額縁に飾られるような英雄の背後に
女性、先住民、ムラート(混血)
私は歴史書に載らないブラジルが見たい

マラカナン競技場から見えるマンゲイラの丘

―――ちなみに前回のコラム「【norijiの鉄視点 017】リオのカーニバル 2019 優勝チーム「1番目の駅」マンゲイラと鉄道の意外な接点」(https://tetsudo-ch.com/6311388.html)の最初の写真は地下鉄メトロの車両。

メトロ車両動画

近くには日本語学科もあるUERJ(リオデジャネイロ州立大学)があります。

地下鉄と言ってますが、実際は手前のサン・クリストヴァン駅あたりから地上に上がってきて、2番線は終点のパヴーナ駅まで地上を走ります。

マラカナン駅はメトロ2番線が通るだけでなく、郊外を走る電車、SuperVia(スーペルヴィア)の駅でもあります。SuperViaのマラカナン駅の開業は1884年、実に134年前と、意外と歴史があるんです。

<noriji>
ライター・ポルトガル語通訳・翻訳・DJ。ブラジル音楽フリーペーパー(http://www.jornalcordel.com)2代目編集長。’15-17リオデジャネイロで日本人宿。リオ観光サイトRio Tips(http://brasiltips.com/rio/)管理人。ウートピ、ラティーナ等に寄稿。中国語勉強中。(記事中の鉄道画像は noriji 撮影)

TAGS noriji 芸能・音楽


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