一の渡駅。島式ホーム1面2線。航空写真でチェックしましたが駅の周辺に人家らしきものはパラパラと散見する程度。秘境駅の牛山氏の実際に下車したレポートでは3軒と書かれていました。駅前には飲料の自販機もありません。

駅名標。1972年(昭和47年)旧国鉄宮古線の駅として開業。三陸鉄道に承継された後、2011年3月11日の東日本大震災で不通になりましたが、3月20日には宮古〜田老間運行再開で営業再開。何でこんな深い山中に駅を設けたか不思議です。それでも2015年(平成27年)1年間の乗車人員は523人、1日平均1.4人が乗車しています。(宮古市の統計)

ホームから見渡しても周囲に人家は見えません。駅の東(右)側に2kmほど下ると太平洋、女遊戸浜があります。名前がユニークですね。震災メモリアルパーク中の浜もあります。

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駅を出ると北側すぐに2245mの一の渡トンネルです。

さらに第一佐羽根トンネル(62m)。

隣の佐羽根駅も思いっきり山間部にあります。

一の渡駅よりも人が住んでいます。駅の下に民家が数軒あります。でも駅にはスゴイ階段を登る必要があります。バリアフリー化はおそらく無理ですね。筆者の様な老人に階段はかなりキツいでしょう。

ホーム待合室と駅名標。愛称「神楽の里」はこの辺りが黒森神楽伝承の地であることからだそうです。駅名標の猿がカワイイですね。ホームの熊は遠くからは人に見えて、前面展望でちょっと驚きました。手にペンキのハケを持ったクマさんの隣には「熊出没注意」の板が立てかけられています。その横にはタヌキも見えています。宮古市の統計によれば2015年(平成27年)の年間乗車人員は952人。2.6人/日です。駅から西に6kmほどにある黒森山への登山口があります。

また線路脇に謎の小屋がありました。この小屋は現役っぽい雰囲気です。保線用なのでしょうか。ドア横の電話が他の駅に設置されているものと共通でありことに注目しました。でも道も無いのにどうやってアクセスするのでしょう?

第二佐羽根トンネル(308m)が見えます。

山深い所をトンネルで進みます。旧国鉄は何故ここに宮古線を敷設したのでしょう。人口希薄地帯なので、やはり不思議です。そのおかげで三陸鉄道北リアス線、そして現在のリアス線が運行されているのですから、もちろん文句を言っているのではありませんよ。(笑)

【私鉄に乗ろう98】三陸鉄道リアス線その26 に続きます。

(写真・記事/住田至朗)