視覚障がい者歩行支援システムイメージ 白杖が危険な場所に近づくと振動と音声で知らせる

視覚障がい者の駅ホームからの転落や列車との接触事故対策は喫緊の社会課題となっています。鉄道事業者はホームドアの設置を急いでいますが、コストや駅ホームの構造上の問題により、まだまだ十全とは言えない状況です。

問題解決へ向けた取り組みとして、京セラ株式会社は同社の保有する技術である「RFID」(無線自動識別)と「振動・音声による情報伝達技術」を組み合わせた「視覚障がい者歩行支援システム」(VAシステム:Visually-Impaired Assistance System)を開発しました。

同システムでは駅ホーム・列車の連結部等にパッシブRFタグを設置、視覚障がい者用の白杖である「スマート白杖」にRFIDリーダーを埋め込みます。スマート白杖が受信範囲に入るとバイブレータが振動し、スマートフォンを介した音声システムで歩行者に危険を知らせるという仕組みになっています。

スマート白杖イメージ

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身体障害に詳しい国立大学法人金沢大学の吉岡学さんは、このVAシステムに対し「必要な時に必要な情報発信(音声や振動)で視覚障がい者の歩行をサポートするシステムは、歩行時の集中度を必要以上に阻害することが無いシステムと言えます」とコメントしています。

京セラは2020年2月18日(火)から3月19日(木)まで、同社のみなとみらいリサーチセンター1階の共創スペース「クリエイティブファブ」に体験コーナーを開設します。体験プログラムは13時~16時の事前予約制。興味のある方は同社のホームページから「オープンイノベーションアリーナ」>「Beta Project」と遷移し、申込フォームより予約を行ってください。

鉄道チャンネル編集部
画像:京セラ株式会社