JR東海 在来線は、土壌雨量と土石流発生危険度評価システムによる新たな運転規制を6月1日から導入する。

現在、JR東海 在来線の雨量計による運転規制は、時雨量と連続雨量の2つの指標で行っている。

同社は今回、長雨による災害を評価する指標である連続雨量に代え、気象庁が土砂災害警戒情報等に用いるモデルを活用して算出する 土壌雨量 を導入する。

ADVERTISEMENT

具体的な時雨量と土壌雨量の運転区間ごとの規制値については、地形や過去の災害履歴など、JR東海がもつデータと照合して設定。運転規制をより的確に実施していく。

また、土石流発生危険度評価システムは、2014年度からJR東海が研究開発をすすめてきた成果を活用したもので、鉄道沿線の渓流からの土石流発生の危険度を評価する。鉄道の運転規制に取り入れるのは国内初の事例。

線路から離れた場所を発生源とする大規模な土石流が想定される渓流を対象に、レーダ雨量を使い、渓流ごとの危険度をリアルタイムに評価する。

このレーダ雨量は、降雨量を直接計測する雨量計と異なり、気象庁や国土交通省が地上に設置しているレーダから空中に電波を発射することで、雨の強さを把握。1km四方程度の降雨の状況を面的に観測できる。

JR東海は、局地的な集中豪雨などをきめ細かくとらえるべく、レーダ雨量を活用した運転規制を6月1日から実施していく。

レーダ雨量を全線で導入するのは国内初の試み。