コロナショック第2波の恐れもあるなか、先行きが見えないままばく然と不安ばかりがつのるいま、「そう思えばいいのか」と実感させられる一冊の本が、医療現場から出てきた。

『コロナのせいにしてみよう。シャムズの話』
(國松淳和 著/金原出版)

コロナ禍の医療現場最前線で患者とむきあっている國松淳和医師(東京・南多摩病院 総合内科・膠原病内科)が、2020年5月1日からわずか4日間でその最新ヒントをまとめた書籍で、出版社の金原出版も創業史上最短2か月というわずかな制作スケジュールで刊行した一冊だ。

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まず気になるのは、書籍タイトル。「シャムズ」ってなんだ?

「シャムズは(CIAMS)は、COVID-19/Coronavirus-induced altered mental status の頭文字をとった造語で、「新型コロナウイルスが誘発する精神状態の変化」を意味する。このシャムズが医療現場で自然と共有されてきている」

「シャムズは精神的加重という状態で、病気ではない。病院に行く必要もない。精神的加重は、たとえばコロナ禍でさまざまな心身への変化・負荷がかかると、足が動かなくなる、声が出なくなる、苦しいといった感覚が出てくることも」(國松医師)

そして國松医師は、「こうしたコロナへの過剰な不安から精神的加重が起こり、おかしな言動・行動へと導いてしまう。その最悪の結末は、鬱病による自殺や死亡」と警鐘を鳴らす。

こうしたシャムズという精神状態から自分の身を解き放つヒントがいろいろ詰まった本が、この『コロナのせいにしてみよう。シャムズの話』というわけ。

ということで、この本に記されている「シャムズから解放されるヒント」の一部を、ここで紹介しよう↓↓↓

雑談、情報遮断、要らない数字は見ない…「コロナそらし」という考え方

では、シャムズってる人は、シャムズからどう自分を解放するか。

そのヒントのひとつが、雑談。まわりの人に声をかけて、いろいろ難しいことを考えず、あれこれいろいろ話すのがいいと。

この本には、雑談の内容や、話しかけ方、さらに話し相手がいない場合の代替ツールなども紹介されている。

いっぽうで、情報遮断というヒントもいろいろ。

どんな情報を自ら断ち切るか。遮断する情報のツールは、あれとか、これとか……。詳しくはこの本でチェックしてもらうこととして、もうひとつのヒントに「数字は見ない」という重要性も伝えていた。

「たとえば、新型コロナウイルスに感染し、イタリアで何人死んだか、なんていう数字は、もともと玄人が知る数字。メディアが伝えるこうした数字や情報を、一般の人が要るかどうかも、立ち止まって考えてみると、らくになる」(國松医師)

この本の説明や目次、序文、電子版、推薦文は、公式ホームページ↓↓↓にあるから、気になる人はチェックしてみて。
https://www.kanehara-shuppan.co.jp/books/detail.html?isbn=9784307102032

――― シャムズは自分で解放できる。

いま感じているばく然とした不安や怖れ、苦しい思いは、病気ではなく、シャムズかも。そのときは、病院に行かず、まずこの本でシャムズから解放されるヒントを、体得してみて。

(著者)國松淳和:1977年愛知県生まれ。内科医。日本医科大学医学部卒業後、国立国際医療研究センター膠原病科、同センター総合診療科などを経て、現在は医療法人社団永生会南多摩病院総合内科・膠原病内科に勤務。リウマチ専門医、総合内科専門医の資格を持ち、不明熱をはじめとした「原因のわからない病気の診断と治療」を専門としているが、一般内科医としてどんな症状・病態にも対応することを信条としている。近著に『仮病の見抜きかた』『また来たくなる外来』(ともに金原出版)など。