「スイッチバック」も復活 JR九州が豊肥本線の復旧状況を公開 8月8日全線開通

2020.07.17

豊肥本線のスイッチバック、被災後は写真左側のレール(赤水駅方面)が流され、右側のレール(立野駅方面)に覆いかぶさるように曲がっていた

JRの九州は7月16日(木)、ほぼ復旧の完了した豊肥本線立野地区の様子を報道陣に公開しました。

熊本と大分を結ぶ豊肥本線は、2016年4月に発生した熊本地震とその二か月後の豪雨により被災。大規模な斜面崩壊などにより、肥後大津―阿蘇間(27.3㎞)が不通となりました。

JR九州は2020年4月時点で全てのレールを復旧。現在は7月21日からの試運転開始、そして8月8日の全線再開に向けて最後の仕上げに入っています。

自治体と連携して行われた復旧工事の様子

豊肥本線の復旧に携わったのはJR九州だけではありません。熊本県や南阿蘇村など、自治体と連携して工事が行われました。一例として、今回公開された立野〜赤水間の斜面崩壊部を見比べてみましょう。

被災後の立野~赤水間斜面崩壊部 写真提供:JR九州
7月16日報道公開時、上記写真と同じ場所を豊肥本線のレールの上から撮影
県の治山対策後にJR九州がレールを敷き直している

ここは地震ではなく二ヶ月後の豪雨で斜面崩壊・土砂流入が発生した場所です。このような場所ではまず治山対策を行う必要がありますが、山側の工事を担当したのはJR九州ではなく熊本県。豊肥本線の被災箇所の中には、まずは県が斜面を補強し、その後JR九州がレールを敷き直すという流れで復旧工事が行われた場所がいくつも存在します。

被災後の立野駅乗降場の様子(写真提供:JR九州)
7月16日に公開された乗降場
南阿蘇鉄道側はまだ工事が続く

立野駅は復旧工事の拠点とするため早期復旧が図られ、2018年12月時点でレールの敷き直しが完了しました。ここから軌陸車などを活用し、現場までオンレールで資材を運ぶことで効率的に工事を進めていたわけですね。

豊肥本線開通後、当面の間はJR九州立野駅はホームのみでの運用となります。駅舎は南阿蘇村が主体で計画を進めており、南阿蘇鉄道が全線再開する2023年に完成する予定です。

豊肥線の全線再開で盛り上げていきたい

豊肥本線復旧事務所長・諸田勝也さん

立野駅では豊肥本線復旧事務所長・諸田勝也さんのインタビューも行われました。現場を見たときは「鉄道として直せるか不安を覚えた」とのことでしたが、国や県、作業に従事する方々の協力により、鉄道の運行再開に漕ぎつけられたことに嬉しい気持ちでいっぱいであると述べました。

令和2年7月豪雨により九州の鉄道は大きな被害を受けましたが、幸いにも豊肥本線に影響が出ることはなく、無事8月8日の全線再開を迎えられる見込みです。諸田さんは「この明るい話題を噛み締めながら、豊肥線を開通することで元気に盛り上げていければいい」と語りました。

文/写真:一橋正浩


LINEで送る

オススメ記事

こちらの記事もオススメです