「くろまつ号」プラスアルファの鉄道旅!天橋立&西舞鶴のスポットを紹介します
京都丹後鉄道(丹鉄)の観光列車「くろまつ号」。同じ乗るなら、合わせて沿線の丹後地方も楽しんでみませんか。そこで今回は、くろまつ号乗車前後に楽しみたい沿線の観光ポイントを紹介します。
日本三景のひとつ「天橋立」は外せない!
くろまつ号の出発駅のひとつである、京都丹後鉄道天橋立駅。ここにきたらやはり日本三景のひとつである天橋立は外せません。
そこでおすすめは、天橋立駅から歩いて5分の「天橋立ビューランド」。
天橋立ビューランドは、文珠山という山にあります。ふもとからビューランドへは、リフトもしくはモノレールで登ることができます。所要時間はリフトで約6分、モノレールで約7分。モノレールは現在、定員40名を20名に減らしているのでゆったり乗ることができます。
天橋立といえば「股のぞき」。ビューランドからの眺めは、天に舞い上がる龍のように見えることから「飛龍観」と呼ばれています。
実際にしてみましたが……飛龍のように見えますか?
さらに、より高い場所から天橋立を一望できる飛龍観回廊など、景色を楽しめるポイントがたくさん。
かわらけ投げもあります。天橋立に向かった的(まと)は、知恵の輪の形をしています。成績アップや合格などを祈願してもよさそうですね。
園内からは天橋立だけでなく、宮津湾も一望することができます。ベンチもたくさんあるので、気に入った眺めの場所で座ってのんびりするのもおすすめで気持ちがいいですよ。
展望レストランもあります。ここでランチをとるのも気持ちよさそうなのですが、今回はこのあと「くろまつ号」のランチコース乗車が控えているので利用は見送ることに。
なお、くろまつ号には、11時53分に天橋立に到着する「欧風朝食コース」もあります。このコースに乗車したときは、ここでゆったりランチというのもよさそうですね。キッズコーナーやSL弁慶号、観覧車などの乗り物もあり、グループはもちろん親子連れにも楽しめる場所です。
天橋立駅では、鉄印を忘れずに購入!
くろまつ号「戦国イタリアンコース」が天橋立駅を発車するのは12時48分なのですが、ちょっと早めに駅に向かいます。
ちょっと早めに駅に向かった理由は、「鉄印」です。
鉄印は、鉄道版御朱印のようなものです。全国40の第三セクター鉄道会社が連携して、各社独自の鉄印を発行するので、利用者はそれを鉄印帳に集めていく……というしくみです。
そして、丹鉄の鉄印が購入できるのがここ天橋立駅なのです。
鉄印帳が購入できるのは、改札横の窓口です。窓口の人に「鉄印帳をください」と声をかけると、出してくれますよ。
鉄印・鉄印帳が購入できたら、くろまつ号を待ちましょう。出発の時間が近づくと改札の人が呼んでくれますので、それまでのんびり駅内の売店を見ていても楽しいですよ。
光秀の盟友・細川幽斎の城跡へ
くろまつ号「戦国イタリアンコース」は西舞鶴駅に14時50分に到着します。東舞鶴、天橋立・福知山方面ともに、次の列車まではちょっと時間の余裕があります。そこで、駅の近くをちょっと歩いてみてはいかがでしょうか。
おすすめは、西舞鶴駅から歩いて7~8分ほどの場所にある舞鶴公園です。
舞鶴公園は、細川幽斎(藤孝)の居城であった田辺城の本丸跡。細川幽斎は、光秀の盟友でガラシャが嫁いだ細川忠興の父にあたる武将です。田辺城は別名を舞鶴(ぶかく)城といい、舞鶴という地名はこの城の名前にちなんでつけられました。
復元された城門の上には田辺城資料館があります。幽斎をはじめ、代々の城主をつとめた京極氏・牧野氏の資料が展示されています。お城版の御朱印「御城印」も購入できますよ。
隅櫓(すみやぐら)にある「彰古館」は入場無料。細川幽斎の人生を紹介するタペストリーが展示されていました。
幽斎ゆかりの「心種園(しんしゅえん)」という庭園もあります。
関ヶ原の戦いの際、幽斎はこの田辺城で50日以上におよぶ籠城戦を戦っていました。そこに届いたのが、後陽成天皇からの勅命です。
幽斎は「古今和歌集」の秘事口伝の伝承者「古今伝授(こきんでんじゅ)」でありました。幽斎に万一のことがあれば、口伝を伝える人がいなくなってしまいます。後陽成天皇はそれ防ぐためにわざわざ勅命を出して、戦を止めたのです。
その結果、包囲は解かれ、幽斎は無事亀岡城へと逃げることができました。
亀岡に逃げる際に、幽斎は城内の松に「古今伝授松」という札を掛けました。心種園には、その松が今も残っています。なお、初代の松はすでに枯れてしまい、現在の松は1971年に植えられたものだそうです。
公園を散策するもよし、資料館で細川家ゆかりの資料を見るもよし。コンパクトな公園なので散策にそれほど時間はかかりません。帰りの列車までの時間を過ごすにはおすすめの場所です。
くろまつ号はもちろんのこと、その乗車前後もしっかり楽しみたい。そういう方は、ぜひ天橋立や舞鶴の観光を入れて旅のプランを立ててみてはいかがでしょうか。
文/写真:鶴原早恵子
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