関東大震災直後に隅田川に架けられた鉄道橋―――東武鉄道 隅田川橋梁。

当初、上野をめざした東武伊勢崎線の線路は、認可事情で浅草どまりに。紆余曲折をへて、隅田川を渡ってすぐに“都心最急”のカーブで浅草駅へと到達した。

その隅田川上に架けられた橋が、隅田川橋梁。

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そのワーレントラス構造は、地上の隅田公園や隅田川をいく屋形船からも「美しくみえるつくり」をめざし、橋を渡る電車からの車窓にも見え方を配慮したつくりに。

このトラスのデザインには、「しっかりした構造であること」「シンプルな外観であること」「軟弱な地質でも耐えられること」「隅田川の航路を確保できること」といった条件をクリアする工夫が詰め込まれていた。

そこで思うのは、「じゃあプレートガーダーを架ければよかったじゃないか」。隅田川橋梁にはこのあたりにも、プレートガーダーを採用するだけで課題をクリアできる事情があったという。ではこのワーレントラス構造を採用した理由と、その力学的なメリットは!?

―――その解を伝える前にもうひとつ、隅田川橋梁の特長を。

その独特の仕組みは、中路形式トラス橋。実はこの隅田川橋梁、設計段階で「旅客の快感を」を配慮し、車窓から橋梁部材がみえないように計画されていたといわれている。

隅田川橋梁の特長はまだまだ。たとえば、「ピンとアイバー部材で構成した特殊なゲルバー式トラス橋」「東京府の美観スタンスに準じた架線柱デザイン」「橋梁上に設置した両渡り分岐器」「関東大震災直後につくった鉄道橋の耐震性能」……などなど。

さらに気になるのは、設計者や施工者、橋梁正式名は……。

そんな疑問に「そうだったのか!」と教えてくれる、期間限定イベントが始まった。

それが「すみだリバーウォーク 乗車券付き橋カード」

東武鉄道は、東武スカイツリーライン(伊勢崎線)隅田川橋梁に新設した歩道橋「すみだリバーウォーク」の通行者が、ことし10月に50万人を突破したことを記念し、「すみだリバーウォーク 乗車券付き橋カード」を発売。

この「すみだリバーウォーク 乗車券付き橋カード」に、前述の疑問の答えがいろいろ、いろいろ詰まっている。

券面のQRコードを読み取ると、昭和6年に開通した隅田川橋梁の歴史や構造、建設エピソードなど、いろいろな話題にアクセスできる。

しかも解説するのは、あの名人や、あの専門家たち……。いま、東武鉄道 都心乗り入れの歴史や隅田川橋梁の史実を知るなら、「すみだリバーウォーク 乗車券付き橋カード」だ。

―――「すみだリバーウォーク 乗車券付き橋カード」は、10月30日から浅草駅・とうきょうスカイツリー駅で限定各駅1000枚 合計2000枚で1枚150円で発売。両駅とも150円区間の大人片道乗車券がつく。売切れ次第終了。

サイズもこだわりが。他地域の橋やダムなどのインフラカードと同じサイズ。「インフラカードのコレクターにもおすすめ」と。

東武鉄道 伊勢崎線系統。その旅の始まりと終わりの舞台―――隅田川橋梁。いまこそ「すみだリバーウォーク 乗車券付き橋カード」でその歴史と唯一無二の特長に、触れてみて。