東急電鉄は、2021年3月のダイヤ改正で、こどもの国線をのぞく全線で15~30分程度、終電時刻を繰り上げる。

運行サービス体系の適正化の一環。この終電時刻繰り上げで、ホームドアなどの設備の増加にともなう保守点検のための夜間作業時間や、夜間作業に関わる要員を確保する。

東急電鉄では現状、終電後の夜間作業は、準備に60分、撤収作業に30分を要し、実質150分しか作業ができない。

ADVERTISEMENT

そこで終電時間を30分ほど繰り上げることで、実作業時間が30分延長され180分になり、工事時間が2割向上する。

またコロナ禍で利用動向の大きな変化を受け、運行ダイヤの適正化などを検討・実施していく。

いっぽう、必要と判断されたときのみメンテナンス実施するCBM(Condition Based Maintenance)をすすめる。

東急電鉄は、センシング技術などを活用し、保守業務の最適化を行うなどデジタル技術を活用した業務改善を実施。保守分野に限らず、「事業のあらゆる領域」でデジタル技術導入(DX)をすすめていく。

人手を中心に定期的な検査を行う保全体系(TBM:Time Based Maintenance)から、センサーなどで取得した連続データを活用、設備を常時監視する保全体系(CBM)へ移行させていく。

軌道、土木構造物、建築設備、電気設備、車両、ホームドアなどでこうした CBM を推進。検査内容の見直しによる効率化、AIなどを活用した故障予兆検知による運行支障の低減化、劣化予測にもとづく修繕計画の最適化を図る。

さらに、目黒線などで導入しているワンマン運転の実施拡大にむけて検討していく。ホームドアや信号システムなどにより安全性を高め、設備、技術と人の力とをかけ合わせた、より高度な運行の実現をめざしていく。