公道を走行する自動運転バス 埼玉高速鉄道の資料から

埼玉スタジアム線を運行する埼玉高速鉄道は協業7社とともに2020年11月の5日間にわたり、浦和美園駅を起点とする「自動運転バス公道実証実験」を実施した。

埼玉高速鉄道を中心に、美園タウンマネジメント、群馬大学、イオンリテール、国際興業、日本信号、長谷川工業、ジョルダンの8者による共同プロジェクトで、浦和美園駅から近隣施設への2次アクセスを整備して、鉄道の利用環境を整える狙い。さいたま市浦和美園地区では、総合病院「順天堂大学医学部付属埼玉国際先進医療センター(仮称)」の建設計画があり、埼玉高速鉄道や美薗タウンマネジメントは駅から病院までの自動運転バス導入を構想する。

群馬大は地元・前橋市で自動運転バスに取り組んでおり、車両は同大学のシステムを搭載した36人乗りの日野自動車「ポンチョ」を使用。参画企業では、日本信号が自動運転インフラと車両連携技術の確認、国際興業がバスドライバー目線による自動運転技術の検証、ジョルダンがスマートフォンのモバイルチケットを利活用した地域型MaaSと顔認証技術などと役割を分けた。

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今回は2018年度、2019年度に続く3年目の実験で、浦和美薗駅を起点にイオンモール浦和美園、埼玉スタジアム2002、順天堂病院開設予定地をめぐる一周4.3kmのルートを設定した。バスは完全自動運転に近いレベル4環境の下で、実際にはドライバーが乗務するレベル2相当で走行した。

文:上里夏生