「えちごトキめき鉄道様 おせわになります」

北陸新幹線開業にあわせ、かつての北陸線と信越線を引き継いだ第三セクター鉄道 えちごトキめき鉄道に、蒸気機関車D51形827号機がやってきた。

このデゴイチ827は国鉄浜松工場で製造、かつて岐阜や長野など、おもに中央線を走っていたくるまで、愛知県の鉄道愛好家が自宅で保管していたもの。平置きの集煙装置が印象的。

ADVERTISEMENT

その後、車両輸送などの実績で知られるアチハ(本社:大阪市住之江区)が、デゴイチ827を譲り受け、コンプレッサー(空気圧)で動く状態に仕立て、和歌山県の有田川鉄道公園に保存していた。

今回、このD51形827号機をえちごトキめき鉄道が5年契約でレンタル。10月30日に有田川鉄道公園からトレーラーに積み込まれ、えちごトキめき鉄道にやってきた。しかも緩急車(貨車と車掌車を合わせた車両)ワフ、構内入換用ディーゼル機関車もいっしょに。

今回の搬入には ボイラー・動輪・石炭水を積む炭水車の3つに分け、トレーラーに積み込まれて輸送。11月30日21時過ぎに出発。全行程2泊3日の陸送で11月1日5時に、直江津運転センターに到着した。

直江津運転センターの転車台にその雄姿を現したD51形827号機。11月4日に初めて試運転が行われ、転車台と扇形車庫の間を汽笛を鳴らしながら往復。

11月28日にはSL D51 827お披露目式典、D51に親しむイベントも開催。えちごトキめき鉄道 鳥塚亮社長は、「この町にSLが来なくなって51年。このD51は、過去から現在、未来へつながっていくシンボル」とレールパーク構想も伝えた。

同席した上越市長代理 野澤朗副市長は、「直江津は鉄道のまち、恩恵をたくさん受けている。鉄道は公共交通機関であり文化。守り続けていきたい」と。上越商工会議所 高橋信雄会頭は、「もう一度、街ににぎわいを取り戻したいと願う人たちの力で、このSLが実現した」と伝えた。

また、高鳥修一衆議院議員も「まず実現力に敬意を表したい。ぜひ直江津鉄道の歴史を学ぶパークを実現してほしい」と語った。

式典には地元の人たちも参加し、蒸気機関車時代を知らないファミリーも、その迫力に圧倒されていたようす。

直江津駅前商店街は、石炭に似せてつくった石炭飴を手渡し、イベントを盛り上げた。

画像:えちごトキめき鉄道