【終端駅 15】新島々駅 松本電鉄(アルピコ交通)上高地線 2017年1月撮影
正月に京王井の頭線を走っていた京王3000系の車両を撮りに行き、松本電鉄(アルピコ交通)上高地線に乗った。
終点の新島々という奇妙な駅名が気になった。他に島々という駅名が無いのに「新」が付いている。海も無いのに島々とは?
この駅は1924年(大正13年)に筑摩電気鉄道の駅として開業した時は普通に所在地名の「赤松」駅だった。
実は複雑な歴史があることが分かった。
1919年(大正8年)カルピスが発売された年に筑摩鉄道が松本〜龍島間の免許取得。1922年(大正11年)松本〜島々間「島々線」が開業した。赤松駅がその後開業。1955年島々線を上高地線に改称。
つまり島々駅が元々は終端駅だったのだ。所在地名の前渕では無く安曇村の宿場であった島々の名前を駅名にしたのは当時は北アルプス登山口としてこちらが有名だったためらしい。現在は過疎地になっているという。
しかし隣の赤松駅が1965年にダム工事の資材運搬拠点となり、さらにバスターミナルが整備され新島々駅と改称された。このため島々〜新島々間の利用者は激減、1983年(昭和58年)には土砂災害でこの間が不通になり1984年(昭和59年)に廃止された。
故に島々駅が無いのに「新島々」駅が終端駅として存在しているというワケ。
旧島島駅舎は解体され新島々駅前に移築保存されている。幸福な駅舎だ。
新島々駅は、白骨温泉、乗鞍高原、上高地への玄関口でバスターミナルの役割も大きい。
駅舎が大きく立派なのも分かる。※トップ画像参照
入口のアップ。
これが撮影に行った車両。元京王3000系。正月なので謹賀新年のヘッドマークが付いている。
登山やスキーとは無縁なので初めて訪れたのだが、何とも空気が清浄で気分が良かった。
※写真は全て筆者が撮影したものです