JR北海道は2021年2月10日、「SL冬の湿原号」について次のように発表した。

「新型コロナの影響もあり、当社は非常に厳しい経営状況ではありますが、地域の皆様からのご要望、また当社としても道内唯一のSL観光列車を守るため、SLの全般検査、客車リニューアルを実施し、引き続きSLを運行してまいります」

「SL冬の湿原号」は冬の道東観光の風物詩。昔なつかしのダルマストーブや車窓からの大パノラマを備え、釧網線の釧路~標茶(しべちゃ)間を運行する。昨年で運行開始20周年を迎え、乗車人員も30万人を突破した。人気列車だが、同社によればコロナ禍の影響もあり利用者は減少しているという。

参考:1列車当たりの乗車人員の推移 画像:JR北海道

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「SL冬の湿原号」リニューアル計画は次の通りだ。2021年度はC11 171号の全般検査とSL客車内装リニューアルを実施し、2021年度の運行を挟んだのち、2022年度に引き続き客車内装リニューアル工事を行い、2022年度冬の運行に入る。

リニューアルスケジュール 画像:JR北海道

C11 171号の全般検査は苗穂工場で実施するが、SLの心臓部たるボイラーは大阪の業者へ搬送し修繕・性能検査を行う。14系客車(1、3~5号車)は発電エンジンの交換や老朽化した台車部品の部品交換などを実施。カフェカー(2号車)については、旧型客車のレトロな雰囲気を損なわないように内装をリフレッシュする。

工事費用はC11 171号の全般検査1億、客車内装リニューアル工事2億、客車老朽機器(エンジンなど)取替1億の計4億円。

鉄道チャンネル編集部