大阪メトロのコーポレートカラー・OMブライトブルーを基調にしたオンデマンドバス

大阪メトロは2021年3月30日から「オンデマンドバス」の実証実験を、大阪市東南部の生野区と平野区で実施している。交通街づくり分野で「ラストワンマイル」と呼ばれる、駅降車後に自宅までの移動手段を提供して、鉄道の利用促進を図る狙い。

大阪市が2020年8月、「AIオンデマンド交通の社会実験に関する民間事業提案」を募集。大阪メトロと、大阪市西区に本社を置く系列の大阪シティバスが「大阪メトログループ」として応募し、実験事業者に選ばれた。

オンデマンドバスは、利用客が乗り降りする時間や場所を指定してバスを呼ぶ仕組みで、大阪市内での実証実験は初めて。両区は大阪市内でも高齢化率が高いため、大阪市が実験エリアに選んだ。事前に電話やスマートフォン専用アプリで予約すると、路線バスのルートから離れたエリアでも、バスに乗ることができる。

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利用者は電話予約のほか、スマホアプリにエリア内に設置された乗り降りする場所や希望時間帯を入力。表示された予約番号を伝えると、乗車できる。定時運行や定まったルートでなく、自分の都合に合わせて利用できるのがポイントだ。

バスは8人乗りのマイクロタイプで、利用者の予約データからAI(人工知能)が導き出したルートをたどって走る。運賃は大人210円、子ども110円で、市内を走る路線バスと同額。運賃は現金かクレジットカードで支払う。運行時間は6時から23時まで。乗り降りする場所は300mごとに約200ヵ所設定する。

大阪市は今回の実験を2021年9月末まで行い、利用者数や住民の評価を検証。2023年度の本格導入を目指している。

文:上里夏生
(画像:大阪メトロ)