スモールツーリズムで房総半島を鉄道で一周 JR東日本の新鋭・E131系電車で内房線江見駅へ【コラム】

2021.06.06

木更津―上総一ノ宮間を往復する新鋭E131系電車

前面の黄色と青色の水玉模様が印象に残るE131系電車

江見駅をめぐるもう一つの話題に移る前に、木更津ー江見ー上総一ノ宮間で乗車した新型車両E131系電車の印象を。JR千葉支社への新製車投入は2020年5月の会見で、深澤祐二社長が発表、2021年3月のダイヤ改正でデビューしました。従来の209系電車はかつて京浜東北線を走っていた車両で、房総エリアへの転用に際し編成を組み替えましたが、ワンマン運転対応が難しく、JR東日本は業務効率化につながる新型車両投入を決断しました。

運用線区は内房(木更津―安房鴨川間)、外房(上総一ノ宮―安房鴨川間)、成田・鹿島線(佐原―鹿島神宮間)の3線区。安房鴨川でつながる内房、外房線は一体的に運用されるようで、私の乗車した列車は2本とも木更津発上総一ノ宮行きでした。

2両で編成を組める

E131系の主なポイント(資料:JR東日本)

JR東日本の発表資料によると、E131系は2両1編成で、4両が基本の209系に比べコンパクトな編成が組めます。新製車は内房・外房と成田・鹿島を合わせて12編成24両の陣容で、これからの房総エリアを代表する車両になるでしょう。

E131系は、全体的に横須賀・総武快速線の新製E235系電車に似た印象を受けます。外装は、ステンレス車体に房総の海や菜の花をイメージした青と黄色の明るい帯を通しました。車体は中央・総武緩行線用の209系電車以降続く裾を絞ったタイプで、従来車に比べ車体幅を150ミリ広げて2950ミリにしました。

車内は、1人当たり座席幅を10ミリ広げて460ミリにするとともに、座面を下げました。座席のクッション性も改良して、座り心地を良くしています。車長は20mで、1両当たり片側4ドアの標準タイプ。全席ロングシートだと鉄道ファンの評価も今イチのようで、ドア間1個分をクロスシートにしています。

室内設備では、空調装置の容量・出力を大型化して、快適な車内空間を実現。ドア上部には大型の案内表示装置を取り付け、多言語で運行情報を知らせます。

バリアフリー対応も万全

バリアフリーでは、各車両に車いすやベビーカー乗車に便利なフリースペースを設け、床面に赤色で表示しました。車いす対応の大型洋式トイレを各編成1カ所設置、つり手(つり革)高さも209系より低くして、つかまりやすく工夫します。

安全・安定性の向上では、各車両に車内防犯カメラを2台、非常通話装置を4台それぞれ設置。ワンマン運転対応では、車体側面に乗降確認カメラを取り付け、乗務員が運転台にいながら利用者の乗降を確認できるようにしています。

JR東日本への追加取材によると、E131系はモニタリング技術を活用した状態監視機能を装備。モニタリング装置で取得したデータをメンテナンスに活用し、最適な時期に保全するCBMを採用します。Condition Based Maintenanceの頭文字を取ったCBMは状態基準保全を表します。検査周期にとらわれることなく、車体に取り付けたセンサーやカメラで車両を日常的に監視し、必要な時期にメンテナンスする仕組みです。

131系は厳しいファンの目で見れば、「特徴のない車両」「ローカル線を合理化するための車両」の評価も聞こえそうです。しかし、これまで首都圏線区の引退車両を利用してきた沿線の人たちにとって、新車に乗車できるのは朗報で、JR東日本のイメージアップにつながるはずです。

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