チョッパ制御、左右非対称顔、アルミボディ―――営団地下鉄がつくってきた6000系・7000系・8000系ルーツが絶滅する流れにあるなか、また動き。

東京メトロ半蔵門線 パープル帯の8000系が、深夜に東武佐野線 渡瀬駅付近まで試運転している。画像は東武線を通常営業運転中の8000系。

なぜいまメトロ8000系が、深夜に東武佐野線に入線し、渡瀬駅まで行く試運転を行っているか。そのヒントは、渡瀬駅の先にあるヤードにある。

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そこは東武鉄道資材管理センター北館林解体所。

Googleマップでこの北館林解体所をみると、そのまわりに両毛丸善 館林油槽所や日本通運 館林支店、東武運輸 群馬東物流センター、アサヒ飲料群馬配送センターなどがある。

かつてここには、こうした拠点への専用線があった。

いま、東武鉄道資材管理センター北館林解体所という名のとおり、東武鉄道のほか、他社の廃車車両が入ってきて、ここで解体されている。

東京メトロ8000系がこの北館林解体所へと自走して試運転するのは、おそらく廃車回送を想定したリハーサル。

東京メトロは半蔵門線用の新型車両18000系をつくり、すでに一部編成を鷺沼車両基地(神奈川県川崎市宮前区)に搬入している。

18000系は、約40年にわたり活躍している半蔵門線8000系に代わる新型車両で、新型車に押し出されるかたちで8000系は車両基地を去る。

東京メトロはこの18000系を2021~2022年度に、8000系と同数の19編成を製造する計画。8000系はこれから、久喜以北の北館林へとむかう“片道きっぷ”の最後の走りへとむかうか―――。

※2021年6月1日17時 一部記述を修正いたしました。<鉄道チャンネル編集部>