日本車輌製造と日立製作所が1992〜1993年につくったJR東日本オール2階建て車両、215系。

首都圏の電車通勤事情にあわせた客室構造で、東海道線系統の快速アクティーや湘南ライナーなどで活躍した“名車”は、ことし2021年春のダイヤ改正で定期列車運用から離脱。

仕事を失い、所属する国府津車両センターの車両基地から押し出されるように遠く青森などへと追いやられている。

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画期的な車両として注目を集め、いまも「もうこんな車両は出てこないだろう」と思わせるインパクトをもつ215系。まだ走る可能性があるなら……という淡い期待を込めて↓↓↓

ここからは現役続投希望で妄想、シンプル改造案

昭和平成の首都圏通勤輸送を担ってきた、産業遺産級の215系が、このまま廃車されていくと思うとつらい。

そこで、新しい生活様式へと変わる今後をみすえ、“アフターコロナ改造案”を、つっこみどころ満載で妄想。改造コストをおさえたシンプルな更新を想像してみた。

10両編成の215系は、先頭車と次位の中間車がモータつき電動車(M)で、それ以外の中間車はモータなし付随車(T)。M-M-T-T-T-T-T-T-M-M という動力組成でつながっている。

そこで、モータ音などが床から伝わってこないモータなし中間車(6両)の既存座席をすべて撤去し、フルフラットなマット席にするのはどうか。現代版お座敷電車という感じで。

ネットカフェのフラット席のような材質の、クッションにレザーカバーをつけたタイプのマットを連続させ、汚れもさっと拭き取れるうえに、アルコール消毒もかんたんにできるように仕立てる。

レイアウトは、既存通路と同じセンター位置に通路。その両側に20〜30センチ高さのマットフロアを置く。

船の2等席のようなフラットさ、区割りせず自由な空間で、ソーシャルディスタンスを保ちながら足を伸ばして座れる客室に。

団体列車や季節臨時列車、日中の観光用、移動するワーケーション空間などの利用をイメージしている。

乗降ドア付近にフルフラットのバリアフリー対応スペースをつくるのは難しいか。車いす利用者なども一般形通勤車両と同じように乗降できるようにするには……。

さらに、モータつき電動車の先頭車と次位の中間車は、モータ音が聞こえてくるから、1階席は既存座席をそのまま残置。かんたんなPC作業や打ち合わせなどができるスペースに。

2階席は、既存座席をすべて撤去し、窓側に横一列のカウンターテーブルを設置。車窓に真正面にむくようなポール座席(クッションつき)を通し、背もたれポールをつける。

流れる2階席車窓を楽しみながら、ノートPCやドリンク、スマホをテーブルにおいて、観光列車気分を味わえるつくりに。

―――観光に、ビジネスに、汎用的に、新しい利用シーンが想像できる妄想改造案。つっこみどころ満載だけど、どうかつっこまず読み捨てて……。