郡山からさらに北上すると、東北地方最大の都市である仙台に到着します。大都市圏のため、前回ご紹介した455系などのデッキがある車両では乗降に時間がかかり、遅延が慢性化してしまいます。そこで1978年に仙台地区に投入されたのが417系です。デッキのない2扉構造とし、またホーム高の低い駅にも対応するため、ステップ付きのドア構造となっています。

クモハ417-モハ416-クハ416の固定編成で、写真はクモハ417です。比較的新しい車両なので、側面の行き先表示は電動の幕式になっています。

この車両は仙台地区のみの配備および運用で、結果的にも他地区で使用されることはありませんでしたが、交直流対応(形式の百の位が4,5,6が交直流用を指します)で製造されました。当然製造コストも上がっていたはずで、こんなところにも国鉄時代のコスト意識が表れてしまっているのだなと感じてしまいます。

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ちなみに、現在JR東日本で運転されている車両は701系、719系、E721系などで、交流専用の車両になっています。(百の位が7,8は交流専用を表します)

また、仙台に至るルートとして、福島から分岐する阿武隈急行もあります。もともと槻木-丸森間は国鉄丸森線として開業しており、1988年に福島-丸森間の開業によって、福島-槻木間が全線開業しました。こちらの車両は開業時に投入され、現在も現役の8100形です。行き先が郡山になっていますが、現在は郡山乗り入れは廃止されました。

阿武隈急行はその名の通り阿武隈川に沿って走ります。

この付近は2019年の台風被害で約1年ほど不通になりました。また、417系も一時期阿武隈急行に譲渡され、運用されていましたが、現在は引退しています。

※各写真は一回の旅行で撮影しているわけではなく、複数回にわたるものを編集しています。
※阿武隈急行の列車は「8100系」と称する場合もありますが、本稿では「8100形」に統一しております。(鉄道チャンネル編集部)

記事:芝系太