※2022年1月撮影

トップ画像は、いすみ鉄道上総東駅の元・駅舎。国道の歩道から撮っています。現在は、国道465号線をはさんだお向かいの吉田商店さんが使用しています。用途は倉庫でしょうか。

旧木原線上総東駅は、1930年(昭和5年)に開業しています。その頃に建造された木造駅舎と思われます。1954年(昭和29年)までは有人駅でした。駅の無人化に合わせて駅舎が民間に払い下げられた様です。

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1987年(昭和62年)国鉄分割民営化でJR東日本に継承されましたが、翌1988年(昭和63年)第三セクターに転換されていすみ鉄道の駅になりました。国鉄分割民営化でJR東日本の駅になる前に駅舎はなくなっていたことになります。

やはり国道の歩道から元・駅舎。比較的良い状態に維持されている様に見えました。

※2022年1月撮影

筆者は、50代で鉄道趣味に目覚めたので学生だった1980年代に旧木原線に乗ることなど、不可能な夢です。でも、当時はヒマを持て余していたし、写真は趣味で撮りまくっていましたから、やっぱり機会を逃してもったいないなぁ・・・と、つい遠くを見てしまいます。

駅手前のアクセス道から旧木造駅舎を見ています。奥に見えているのが吉田商店。往時の駅の構造が分かりませんが、広い構内があった、ということでしょうか。

※2022年1月撮影

いすみ鉄道に転換されるまで、上総東駅は単式ホーム1面1線の棒状駅でしたが、いすみ鉄道になった時に列車交換が可能な駅に改造されています。ホームは相対式の2面2線になっています。

ちなみにいすみ鉄道に転換された後も旧木原線当時の駅舎が残っているのは、この上総東駅がほとんど唯一。言い換えれば、例外的な存在です。

例えば、国吉駅は1991年(平成3年)に木造駅舎が改築されました。大多喜駅はオリジナル駅舎ですが残念ながら大幅に改装増築されています。総元駅の木造駅舎も1992年(平成4年)に建て替えられてしまいました。小湊鉄道との接続駅である上総中野駅には木造駅舎が残っていますが、半分小湊鉄道の駅舎です。

ここでまたしても「学生時代に鉄道趣味があったらなぁ・・・」と無意味なコトを考えてしまうのです。

※タイトルは『木造駅舎』となっていますが、厳密に「構造として木造建築」の駅舎だけをとりあげているワケではございません。あくまでも筆者が気に入った駅舎を恣意的に選ばせていただいています。外観が明らかに木造建築と異なる場合でも、煩雑を避けるためタイトルは【木造駅舎カタログ】のまま進行いたします。悪しからずご了承ください。

※駅などについては『JR全線全駅』(弘済出版社/1997)、『週刊朝日百科 JR全駅・全車両基地01-60』(朝日新聞出版/2012-2013)他を参照しています。

※鉄道撮影は鉄道会社、鉄道利用者、関係者などのご厚意で撮らせていただいているものです。鉄道を撮影する時は感謝の気持ちを伝えましょう。ありがとうございます。

(写真・文章/住田至朗)