TX茨城県内延伸か 県は2022年度に「延伸調査検討事業」を予算化 ルート4案を本年度内に一本化【コラム】

2022.05.07

TXは鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)が建設しました。同じ鉄道・運輸機構が整備した、横浜高速鉄道みなとみらい線に似た印象を受けます。写真はTXの主力車両1000系電車(写真:K.O / PIXTA)

最近、沿線を中心に注目を集めるのが「つくばエクスプレス(TX)」です。TXの延伸を構想する茨城県は2022年度、「TX県内延伸調査検討事業」の名称で、1800万円を初めて予算化しました。東京都から埼玉、千葉県を経て茨城県に延びるTXの路線は秋葉原―つくば間58.3キロ。つくばからの延伸ルートは順不同で、①水戸方面、②筑波山方面、③(茨城)空港方面、④土浦方面――の4案あり、県は2023年3月には一本に絞って県レベルでの意思統一を図るスケジュールです。

2005年8月に開業したTXは、他社線と相互直通運転しないという、最近の都市鉄道では比較的珍しい形で18年目を迎えますが、土浦や水戸に路線が延びるのか、その中で相直が始まるかどうかは、鉄道ファンならずとも興味深い点でしょう。TX延伸の考え方とともに、1978年の「第二常磐線構想」に始まる歴史、さらには廃止された地方鉄道の復活という見方もできそうな、話題あれこれを集めました。

TXを延伸して定住・交流人口を拡大(茨城県)

まずは、茨城県の県内延伸調査検討事業の考え方から。予算関連資料には、「アフターコロナを見据えた新たな地方創生の実現をめざし、県総合計画に位置づけたTXの県内延伸4方面案について、必要となる調査・検討などを行い、2022年度中に延伸方面の一本化を図る(大意)」とあります。

延伸4案の概略ルート。4案は完全に別ルートというわけでなく、例えば土浦を経由して茨城空港にいたるなど折ちゅう案も考えられそうです(資料:茨城県)

資料にあった茨城県総合計画には、「TXの延伸などで質の高い雇用や定住人口の確保、交流人口の拡大を図り、地域経済の活性化を推進する(同)」と記載されます。

国レベルで、東京圏のこれからの都市鉄道整備(新線建設)の方向性を示すのは、国土交通大臣の諮問機関・交通政策審議会による2016年4月の「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について(答申)」です。ところが、答申にはTXの東京駅や東京・臨海部方面への延伸の記載はあるものの、茨城県内の延伸には触れられていません。

地元はTX延伸を要請

TXの茨城県内延伸は、現時点では地元が構想するプロジェクトで、国レベルの認知はこれからになります。TXを運行する首都圏新都市鉄道も、「あくまで茨城県での議論で、当社は関与していない」とコメントします。

県が予算化した背景を調べたところ、関係自治体が県にTX延伸の検討を要請、さらに一部政治家が選挙公約に鉄道整備を掲げ、それが県政に反映された結果、総合計画への記載につながったようです。

県は構想される4方面それぞれについて、需要予測、概算事業費、収支予測、整備効果などを試算して比較検討。有識者、経済界、県議会、市町村、鉄道事業者などで構成する第三者委員会を設置して、延伸4案を絞りこみます。

スケジュール的には、2022年5~12月に需要予測などを実施して取りまとめ。同年12月~2023年2月に先述の第三者委で話し合い(2回程度)、2月には一般からのパブリックコメントを募集し、翌3月には延伸案を決定します。

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