JR西日本のホーム柵やホーム安全スクリーンなどの整備状況は今どうなってる?

JR西日本が鉄道利用者の安全性・利便性向上に向けた取り組みの進捗を公表しています。ホームからの転落を防止する「ホーム柵」、「ホーム安全スクリーン」、車椅子利用者の乗降をスムーズにする「可動スロープ」など、バリアフリー整備の進捗状況は今どうなっているのでしょうか。詳しく見ていきましょう
ホームの安全強化に向けた整備は2032年度までに完了の見込み
JR西日本は「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用し、同制度の対象駅について、乗降人員に応じて転落防止のホーム柵やホーム安全スクリーンの整備を進めています。
(1)乗降10万人以上の駅にはホーム柵を整備
(2)乗降10万人未満の駅にはホーム柵かホーム安全スクリーンを整備
2027年度までに(1)は6割、(2)は5割の整備を完了する見込みで、2032年度までには整備対象エリアの全駅にホーム柵かホーム安全スクリーンが設置される予定。
2024年度末時点でホーム柵は18駅50番線に設置済み。2027年度末までに京都駅・天王寺駅・尼崎駅など12駅28番線の整備を予定しています。
一方、ホーム安全スクリーンは2024年度末時点で29駅93番線に設置済み。2027年度末までには、55駅151番線の整備を予定しています。
鉄道初の自動式「可動スロープ」を新大阪・桜島駅に設置

また、車椅子利用者の課題であるホームと車両間の段差と隙間を解消する取り組みも進めてきました。
これまで大阪環状線やJRゆめ咲線の一部の駅で、ホームの高さをあげる「かさ上げ」工事、「ホームとの隙間をくし状のゴムで埋める設備(くし状ゴム)」の整備を行いました。
2018年以降は、ホームと列車の段差や隙間を自動で埋める「可動スロープ」の開発を進めています。
可動スロープの仕組みは?
「可動スロープ」は、どのような仕組みで段差や隙間を解消するのでしょうか。
まず、駅に列車が到着するとセンサーで検知。スロープが自動で動き出します。スロープ先端のセンサーがドアと床の位置を検知し、乗降口とホームの隙間の距離を計測して自動的に張り出すことで、段差や隙間を埋めます。
乗り降りが完了してドアが閉まると、スロープは元の位置に戻り、自動で格納されます。
また、可動スロープには、人や物体を感知すると自動音声で注意を促し、スロープの動作を一時停止する「安全装置」も搭載。転倒や挟まれるリスクを軽減しています。
可動スロープの試験運転を「新大阪駅」「桜島駅」でスタート
4月21日から桜島駅と新大阪駅の2駅に可動スロープを導入。大阪・関西万博開催に合わせて走る臨時直通列車「エキスポライナー」の車椅子・ベビーカースペース最寄り乗降口に設置し、利便性や安全性などを検証します。検証期間は、万博開催期間の10月までの予定。
JR西日本は「より多くの駅で可動スロープを稼働させるため、検証を重ねていく」としています。
【参考】 ホームと列車の隙間を自動解消する 凄い仕組みで車椅子でもスムーズに乗降車!可動スロープの試験運用をJR西が開始
https://tetsudo-ch.com/13000187.html
ホーム柵やホーム安全スクリーン、可動スロープの設置が本格的に進めば、JR西日本エリアのバリアフリー化が一層加速するでしょう。より快適で、すべての人にやさしい駅づくりが進むことに期待したいですね。
(画像:JR西日本)
(鉄道ニュースや、旅行や観光に役立つ情報をお届け!鉄道チャンネル)
【関連リンク】