京都鉄道博物館の2022年春季企画展「アイラブ鉄道標識 文字と記号で楽しむ鉄道」(※)が始まりました。

※タイトルの「ラブ」は「ハート」の記号(赤色)

「鉄道標識」と一口に言ってもその種類は様々です。鉄道ファンがぱっと思い浮かべるのは運転士さんの見る速度制限標識や橙色の場内標識などでしょうか。本企画展では、そうした「運転士目線から見た標識」と「わたしたち(利用者)から見た標識・案内板」から、様々な種類のものを選んで解説付きで展示しています。

六角形のブースにJR旅客6社の駅名標やホーム上の号車案内が並んでいます
海辺の路線、山岳路線、市街地でみられる標識をそれぞれ分けて展示しています。勾配標は実物大ですが、実物はかなりの部分が地中に埋まっているため展示物の大きさにびっくりしてしまうかも
間近で見るとかなり大きく感じる速度制限標識
「速度制限標識」の解説。標識の形状などから細かい指示が読み取れるようになっています

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珍しいところでは検査用の「青い標識」なども展示されています。これは試験を行うときなどに、運転士が今ある線路と見間違わないよう青色で作られているもので、一般の乗客が見る機会はなかなかありません。

青色の場内標識や出発標識。形は同じですが、検査用は青色で見分けがつくようになっています

また、「1つの標識ができるまで」を動画で紹介するコンテンツも用意されており、私たちが普段から見かける標識がどのように生成されるのか、分かりやすく確認できるようになっています。

標識が作られる過程を動画で紹介

展示を見たら京都駅まで歩いてみよう!

梅小路京都西駅から京都駅まで歩いて20分ほどでした

本企画展を実施するにあたり、担当の方は京都駅・新大阪駅・大阪駅へ勉強しに行かれたといいます(京都鉄道博物館の「鉄道好き」おすすめの駅だそうです)。

京都鉄道博物館最寄りの梅小路京都西駅から京都駅までは、ちょっと頑張れば徒歩でも行ける距離。行きかう電車を眺めているだけでも楽しいものですが、架線の方を見上げれば企画展でも紹介されているセクションゾーンクリア標の実物が、線路を見れば速度制限標識が……とまさに現場で使用されている実物を垣間見られる場所になっています。企画展を見た後は、いつもとちょっと違った目線で京都駅周辺散歩などいかがでしょうか?

「アイラブ鉄道標識 文字と記号で楽しむ鉄道」は2022年7月10日(日)まで行われます。また、企画展に関連するイベントとして、2022年6月25日(土)には、鉄道ライター中西あきこ氏による講演会も行われる予定です。

引退した「スーパービュー踊り子」の号車案内など、鉄道ファンの心をくすぐるような展示も多数用意されています

記事:一橋正浩