ともに長野県出身、20代 伊藤克CEOと、「イルーナ戦記」などを手がけてきた丸山謙一郎CTOが率いる、雪雲(長野県長野市)の次世代VRシステムが、世界を大きく変える可能性―――。

次世代VRシステムの開発を手がける雪雲は、視覚情報と脳の認識のタイムラグなどによって引き起こされる「VR酔い」を軽減できるVR技術「VRun System」を世界で初めて開発。

伊藤克CEOと丸山謙一郎CTOが実際にVRを装着して「VRun(ブイラン)System」のデモンストレーションを公開。

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それを目の当たりにして「新しい仮想空間が誰でも自由につくれて、リアルを超えた“メタバース社会”で人生を送れる時代がすぐそこまできている」と実感した。

雪雲が描くメタバースプラットフォーム「The Connected World」

雪雲が開発する次世代 VR システムは、雪雲メタバース(3次元仮想空間&サービス)プラットフォーム「The Connected World」をベースに、The Connected World で動かせるクリエイションエディター「Metaverse Engine」で仮想空間を構築していく。

この Metaverse Engine で、LANDの制作・編集(地形・建築物・オブジェクト)、アバター(アバター作成・アバター装備・声の選択・モーションデザイン・エフェクトデザインなど)、スクリプト(フィールドギミック・イベント作成・NPC AI・モンスターAI・オリジナルゲームなど)を自由につくることができる。

ここで出てくる「LAND」は、雪雲メタバースプラットフォーム「The Connected World」の“社会”で、「World」という主催者が決めたレギュレーション・ルールで展開できる空間のなかに、複数の「LAND」をつくることができる。

リアルな世界の地球のなかに国があるようなイメージ。LAND は、World 内につくれるインターネット上の物理的スペース。ユーザーが、建物を建てたり冒険したり、ビジネスしたり、ミーティング、クリエイティブ、行政、芸術活動……と、いろいろ無限にチャレンジできる可能性をはらんでいる。

そのコア技術となるのが、雪雲の最新テクノロジー「VRun System」

雪雲メタバースプラットフォーム「The Connected World」の“社会”で、クリエイションエディター「Metaverse Engine」で仮想空間を構築していくなかでのコア技術が、雪雲の最新テクノロジー「VRun System」。

この「VRun System」には4つの革新ポイントがあると、伊藤克CEOはいう。それが↓↓↓

◆1.VR内を酔わずに自由な移動―――従来のVR空間は、VR酔い対策などのために直進が基本動作だった。そこを「VRun System」は、オブジェクト軸よって制限のない移動を実現。デモ動画↑↑↑のように、VR内を酔わずに自由に移動できる。

◆2.ストレスのない長時間VR体験―――一般的なVR空間の没入型コンテンツなどは、15分が限度といわれているなか、VR酔いがない「VRun System」は、長時間VR空間にいても、リアルと似た疲労感で過ごせるという。

◆3.リアルな高画質映像表現―――一般的なVR酔い対策は、90fps以上の高フレームレートでアバターの動きを人間の歩行速度内に収めていた。そこを「VRun System」は、フレームレートをあえて30fpsと低く設定し、そのぶんグラフィックス描画などの高負荷処理に費やせることから、よりリアルな質感の風景を実現できる。

◆4.同時多接続―――このフレームレートをあえて30fpsと低く設定したことなどで、処理能力をグラフィックスや同時多接続にまわせて、数千人レベルの大人数が参加することもできるという。

実際に試してみると、酔わないうえに、ひたすら自由!

では、なぜ雪雲の「VRun System」はVR酔いしないか。

そもそもVR酔いは、VR空間に立つ自分の意思と視覚情報に映る風景の錯覚(ズレ)によって引き起こすベクションが原因といわれている。

「一般的なVR酔い対策は、高フレームレート・低遅延・加速度なしで、急激な視界の変化をつくり、脳を臨戦態勢にすることによって一時的にVR酔いを誤魔化しているだけといえる」

「雪雲は、このベクションを脳に許容させる生理学的アプローチで、急激な視界の変化を排除し、脳が緊張状態に陥る頻度を減らした結果、長時間プレーしても疲れにくくなり、VR酔いが発生しなくなる」(雪雲)

実際にデモVR空間のなかに入ってみると、ほんとうにどこまでも行けるし、ずっとVR空間で過ごせる気分。上を向くと木々の木漏れ日がやさしく、下を向くと草木の揺れがナチュラルに映り、「VR空間で半日ぐらいテレワークしてもいい」とまで思った。

ちなみに、装着したVR HMDはどこにでも売っている一般的な製品。専用VRなども要らない点も特長のひとつ。

これまでにない新しい世界をVR空間につくり出せる時代へ、雪雲から

雪雲の「VRun System」をコア技術とする「The Connected World」は今後、「国境・性別・年齢・身体……あらゆる壁を超え、人々が自由に平等にポジティブに社会参加可能な、優しく、楽しい、Next Life Platform の提供をめざしていく」(雪雲)とし、メタバースプラットフォームのスタンダードになるよう、展開していく構え。

まずことし2022年12月に「The Connected World」の正式リリースと、自社開発ゲーム(βテスト)をリリース。

同社が開発していくMMORPG(大規模多人数同時参加型オンラインRPG)・FPS(一人称視点シューティングゲーム)によるアイテム課金や、World・Landの運用、UGC(ユーザー生成コンテンツ)オブジェクトの販売などで収益化を狙う。

そして2023年1月からは、企業・団体・自治体など、産学官連携によるWorld・Land 開発などに着手し、雪雲の「The Connected World」でコミュニケーションスペース・各種展示スペース・テーマパーク・カンファレンス会場・ゲーム コンサート スポーツ観戦・冠婚葬祭・行政活動・都市開発シミュレーション・重要文化財 歴史建造物 保存・職業訓練などのメタバースを構築していくビジョンもある。

―――日本・長野発、雪雲の「VRun System」をコア技術とする「The Connected World」の展開が、いまから楽しみ。