すぐ脇を東海道新幹線が走る「戦火をも耐えた復興小学校」90歳超えの建造物がみてきた銀座の街と新幹線
ここは島根県の物産・観光・移住情報などを発信する東京アンテナショップ「日比谷しまね館」が入るビルのエレベーターホール。
眼下に、京浜東北線・山手線の線路が4本、東海道線の2本、そしてやや高い段に東海道新幹線の線路が2本みえる。
画面右に新橋駅。左に有楽町駅があり、画面左方の地下に東京メトロ日比谷線、右方の地下に丸ノ内線が、これら地上線路と直交するように地下を走っている。
この画面で新幹線N700Aの先にみえる、緑のツタが覆う鉄筋コンクリート造2階建が、東京都中央区立泰明小学校。
銀座のどまんなかにある小学校で、アルマーニで話題になった学校だけど、それよりもこの建造物の力強さがすごい。
現在の泰明小学校は、3代目。初代は赤レンガ2階建校舎で1878(明治11)年に出現、2代目は木造モルタル造3階建校舎で1912(明治45)年に登場した。
現存する鉄筋コンクリート造2階建3代目校舎は、1929(昭和4)年に銭高組が建てた。
関東大震災で消失した学校を、最新の建設技術だった鉄筋コンクリート造で建設した、いわゆる震災復興小学校で、全国に117校あった復興小学校のうちのひとつ。
昭和に入り、太平洋戦争中の1945(昭和20)年5月の銀座大空襲で、銀座一帯が甚大な被害を被ったなか、この泰明小学校は構造的な被害は少なく、再び銭高組が内外復旧工事を施し、現在もほぼ建設当時のままの姿を保っている。
そんな泰明小学校の竣工後35年のときを経て、東京オリンピック1964開催にあわせて東海道新幹線が開業。
以来、泰明小学校の屋上などからは、東京高速道路越しに、0系・100系・300系・500系・700系・N700系と、ずっとこの高架橋を行き来する東海道新幹線 歴代車両の姿がみえたのかも。
◆現存する大正昭和遺産「復興小学校」坂本小学校が100年の歴史に幕、解体前に2/26.27 棟下式 誰でも無料参加OK
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