JR東日本がローカル線35路線66区間の経営情報を開示

2022.07.28

久留里線を走るキハE130系

JR東日本は2022年7月28日、「2019年度実績において、平均通過人員が2,000人/日未満の線区」(35路線66区間)における2019年度・2020年度の経営情報を開示しました。

赤字額を見てみると、2019年度は羽越本線 村上~鶴岡間の「49億900万円」が最大で、奥羽本線 東能代~大館間が「32億4200万円」、羽越本線 酒田~羽後本荘間が「27億1100万円」と続きます。

コロナ禍の影響が大きく出た2020年度は、全体を見れば営業費用が削減されたことで結果的に収支が若干改善した区間もなかったわけではありませんが、上位3区間の順位は変わらず、運輸収入も軒並み落ち込んでいます。

100円の営業収入を得るのにかかる営業費用を示す「営業係数」(※各線区の営業費用を運輸収入で割り、100をかけた値)を見てみると、2019年度は久留里線 久留里~上総亀山間の「1万5546」が最も悪く、花輪線 荒屋新町~鹿角花輪間の「1万196」、陸羽東線 鳴子温泉~最上間の「8760」と続きます。

2020年度は陸羽東線 鳴子温泉~最上間が「2万2149」、磐越西線 野沢~津川間が「1万7706」と、東北地方の山間部で営業係数が悪化していることが見て取れます。久留里線 久留里~上総亀山間も「1万7074」と前年度より悪い結果となりました。

地方交通線をはじめとする鉄道の利用状況は、昨今のコロナウイルス禍の影響もあり大きく落ち込んでいます。開示に踏み切った理由について、JR東日本は「地域の方々に現状をご理解いただくとともに、持続可能な交通体系について建設的な議論をさせていただくため」としています。

JR西日本は4月に同様の情報開示を行っています。国土交通省も7月、ローカル線のあり方に関する有識者会議の提言をまとめており、「輸送密度1000人未満」という存廃協議の目安を示しました。ローカル線を取り巻く状況が大きく変わりつつあります。

(写真:Jun Kaida / PIXTA)


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