1910(明治43)年につくられた東海道線の煉瓦(レンガ)アーチが残る、有楽町~新橋の高架橋。ベルリンの高架橋をモデルとして積まれたこのレンガは、100年以上もこの東海道線を支えている。

その高架橋のなかでも、山下橋架道橋・内幸橋架道橋の内部を大規模リニューアルし、スタイリッシュな高架橋モールが出現した空間が、「日比谷OKUROJI」。

ここ日比谷OKUROJIに12月10~18日の9日間、「有田焼の伝統技法を絵画に用いた唯一無二の芸術」として知られる草場一壽の陶彩画・原画・複製画が展示される。

題して、「草場一壽 陶彩画新作展 東京」

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1960年佐賀県生まれ。佐賀県武雄市山内に工房を構え、陶彩画家として活躍する草場一壽が、1年のときを経て東京で個展を開く。

今回は、数ある作品の中でも、およそ30年もの間描き続けてきた、“龍”をモチーフとする新作『はじまり』のほか、草場一壽の神話シリーズ最後の大作となる新作『国常立命(金龍)またの名をニギハヤヒ 艮の金神』、大阪開催個展で注目を集めた新作『豊穣の女神 ラクシュミー』などが展示される。

開館時間は10~18時、入場無料。東海道線の電車の足音を聞きながら、神秘と奇跡でつながる超大作にゆっくりじっくり没入できる。

《いのちの輝き》を描き続ける草場一壽の世界

「草場が描く「いのち」とは、生きとし生けるものの命そのものや、そのつながり、存在することのよろこびであり、『本当の豊かさ』を見つめ直す問いかけでもあります。

そんな『いのちの輝き』を表現した、艶感と立体感をもち、眩い輝きを放つ陶彩画。

原画70点と複製画も含めて約100点を展示し、心が揺れ動く陶彩画の新たな魅力を発見する機会を―――」(草場一壽工房)

草場一壽も在廊、伝えたいこと

「草場一壽 陶彩画新作展 東京」開催期間中、草場一壽本人も「できるかぎり在廊する」という。

彼は今回のこの東京個展で、こう伝えている。

「日本の神話を描き始めたのは、神そのものを描きたかったからではなく、やはりわたしの作家としてのテーマである『いのち』をもとに、いのちを循環させている大きな意志、人によっては大自然や神と呼ぶかもしれない存在を前にしたときに、人が感じるであろう畏敬の念や安心感を抱いてもらえる作品を作り出したかったからです。

また今回、一般的に封印されたとされる「国常立命」という神を艮の金神(恐れ封印された存在)として描くことで、現代社会に生きるわたしたちが見過ごしてしまいがちな、『当たり前と思っている物事の本質』を見つめ直し、コロナ禍後にめざす未来を考えられたらと願っています。

作品は作者の手を離れたら、見てくださる方のものになります。見てくださる方の心に届くものがあれば、作者としてこの上ないよろこびです。ぜひ、原画を間近でご覧くださいませ」(草場一壽)

奇跡の立体感とツヤは、もはや衝撃的

草場一壽の陶彩画は、有田焼の故郷・佐賀に生まれた草場が「いのちの輝き」を表現するために、着想以来苦節30年、たゆまぬ研究と試行錯誤の末に実現した「焼き物の傑作」。

絵付けと窯入を十回以上繰り返す”陶彩画”は、唯一無二の芸術作品。

他の焼き物や絵画にはない立体感と艶感を持つ陶彩画は、おもに “龍” “神話” “菩薩”などをモチーフに、奇跡の輝きを持つ絵画と呼ばれている。

―――その衝撃と奇跡は、現場でその作品を目の当たりにしないと体感できない。360度、あらゆる角度から観て、その『動く輝き』『放たれるオーラ』を、感じてみて。

公式サイトは「東京 陶彩画新作展 開催 2022/12/10~12/18」で、検索。