生き残りの道の一つが観光鉄道化

表面的には利用減を受けた縮小再生産にも思える北越急行のダイヤ改正。改正後の利用促進策は、どこにあるのでしょうか。

答えの一つになりそうなのが「観光鉄道としての誘客」です。ほくほく線に観光列車はありませんが、鉄道ファンや観光客を呼び込む知恵があります。〝観光・ほくほく線〟を知らしめたのが、鉄道利用の魅力的な旅行商品を顕彰する「鉄旅オブザイヤー2019」で最優秀賞のグランプリを受賞した「超低速スノータートル『ナイトタートル~夜のトンネル探検』」。

ツアーは時速5~10キロの超低速列車・スノータートルで、夜のトンネル探検に出発します。普段、列車内のトンネル内は真っ暗で何も見えません。でも内部はどうなっているのか、ファンは興味津々です。

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そうした実績をもとに北越急行は開業25周年の2022年、ツアー列車「記念列車オールスター号」を六日町―犀潟間往復で運転してヒットを当てました。

北越急行の小池裕明社長は2022年7月、三セク鉄道の業界団体「第三セクター鉄道等協議会」会長に就任。2023年の年頭所感で、「イベント開催や観光列車など、鉄道に乗車いただく取り組みを進めていく。関係の皆さまとコラボした楽しい企画で沿線地域の活性化に寄与したい」とコメントしました。

3月新ダイヤでスノーラビットは〝冬眠〟しますが、沿線には「鵜の浜温泉」(上越市)など観光資源が豊富。ほくほく線の新たなスタートに期待しましょう。

2022年のツアー列車「記念列車オールスター号」でまつだい保守基地(松代工務区)を訪れた参加者(資料:北越急行)

記事:上里夏生