足尾線 廃線跡と産業遺産をめぐる自分リセット時間、銅山のまちから日光市街へ路線バスで峠越え…日光・足尾ルートパスでおトク旅
栃木県日光市。中禅寺湖の南10kmにある産業遺産の街―――足尾銅山。
この足尾銅山から産出される鉱石を輸送するために、渡良瀬川に沿って線路を敷いたのが、足尾鉄道。
足尾鉄道はのちに国有化され、足尾線として地域輸送を担い、1989年にJR足尾線が廃止。
この足尾線を引き継ぎ、トロッコ列車などを走らせて観光客を引き寄せてるのが、わたらせ渓谷鐵道わたらせ渓谷線。
そのわたらせ渓谷線の終着駅が、間藤駅↑↑↑
この間藤駅から先、足尾銅山へと続く線路跡をたどる
実はいまも、間藤駅から先、足尾銅山の本山精錬所跡にある足尾本山駅まで、線路が残っている。
間藤駅ホームから足尾銅山がある北をみると、車止めの手前には26.7パーミルの勾配標や軌道跡がみえる。
銅街道を横切る線路の踏切跡
間藤駅からさらに北へ、銅街道(あかがねかいどう)を歩いていくと、右から左へと足尾線の線路が横切る踏切がみえてくる。「間藤踏切」という表示もある。
無線ケーブルなどが伝ってたのか、木製電柱があったり、継電箱らしき物件も残ってる。
第二松木川橋梁を左に見て、さらに先へ
踏切の左手に、渡良瀬川系の松木川が流れ、そこに足尾線 第二松木川橋梁が架かっている。
この第二松木川橋梁はまだそのままの姿をとどめ、立入禁止を伝える看板には「古河機械金属 足尾事業所」の名が記されている。
そして第二松木川橋梁のつくりがまたおもしろい。鉄道橋の直下に歩道橋が架かってる関係で、両岸がガーダー橋(桁橋)で、歩道橋との交差部分は下路スルーになっている。
精錬所大煙突がみえてくると、足尾本山駅
足尾銅山の本山精錬所跡にある足尾本山駅にむけてさらに歩いていくと、精錬所大煙突がみえてくる。
1919(大正8)年に建てられた、高さ50メートル、下部直径6メートルの大煙突でこの煙突付近まで足尾線の線路がのびていた。
松木川をはさんで対岸には、足尾線のトンネルの手前に、腕木信号機もみえる。
そして、足尾銅山 本山精錬所跡の手前、最後の鉄橋が出川橋梁。一直線のガーダー橋と石積みの橋台をみていると、どこか背筋がひんやりする。
まさに、産業遺産で“無”になる時間
まさに、産業遺産で“無”になる時間。自分がゆっくりリセットされていく……。
最後に、1890(明治23)年に架けられた古河橋(国重要文化財)を愛でて、日光市営バスで夕暮れどきの日光へ。
この古河橋は、ドイツ人設計による長さ50メートルのトラス式鉄橋で、日本に現存する道路用鉄橋としても貴重な産業遺産といえる。
そして日光市営バスで細尾峠越え、夕暮れどきの日光市街地へ
ここ古河橋から日光市営バスで、足尾山地の細尾峠を越えて日光市街へ。40分の山岳路線バス旅。
さっきまで乗ってきたわたらせ渓谷鐵道の気動車と並走したり、第一松木川橋梁(国重要文化財)と人道橋をバスの中から車窓で楽しみながら、細尾峠へ。
日光市営バスは、細尾峠をガチで越えるのではなく、日光と足尾の境界にある山岳区間を日足トンネルで貫き、日光市街へ出る。この山岳区間も、あちこち美しい車窓が映る。
―――わたらせ渓谷鐵道と日光市営バスで日光市街へ。このあと、路面電車跡や日光市街グルメを探しにいくとしようか。
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