模型右下側の黒い部分が東急新綱島駅

2023年3月18日に開業する相鉄・東急直通線(羽沢横浜国大―日吉間10.0キロ)。横浜市神奈川、港北の両区を結ぶ鉄道新線の沿線では街づくりが盛んだ。地下新駅の新綱島駅(東急新横浜線)では、東急不動産の駅直結型シニア向け集合住宅「グランクレール綱島」が、2023年11月末予定の入居開始に向け建設が進む。

新綱島駅と、東急東横線綱島駅は300メートルほどの距離で、東急不動産の集合住宅は新綱島、綱島の両方の駅からのアクセスが良好。新綱島駅とは地下で、綱島駅とはペデストリアンデッキで結ばれる。

建物は地上12階、地下1階建てで、全104戸。4~12階が住宅フロアで、下層の1~3階にはカフェや物販店などが入る。

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グランクレールは東急不動産のシニア向け集合住宅のブランド名で、綱島は22施設目。東急電鉄沿線を中心に、港、練馬の両区など東京都内でも開発が進む。

東急不動産がシニア向け集合住宅を事業展開するのは、東急電鉄の沿線活性化が狙い。東急グループは戦前の田園調布(東京都大田区)を手始めに、最近は田園都市線の沿線開発に力を入れるが、1990年代ごろまでに開発を終えたエリアでは、子育てを終えたファミリーが夫婦2人暮らしになり、住み替えを希望するケースも多い。

そうした人たちに、暮らしに便利なシニア向け住宅への転居を提案。転居後の空室はリノベーションしてヤングファミリーの入居者を迎えることで、活気ある沿線づくりにつなげる。こうした事業戦略は、鉄道の継続的利用促進にもプラスの効果をもたらす。

グランクレール綱島は、聖マリアンナ医科大学東横病院(川崎市)などの医療機関と連携して、住宅内での医師や看護師との健康相談が可能。オンライン診療にも対応する。

最上階まで建ち上がった「グランクレール綱島」

記事:上里夏生