東武の新型特急N100系「スペーシアX」公開 白い車体に多彩なシートバリエーション
浅草と日光・鬼怒川エリアをつなぐ東武新型特急N100系「スペーシアX」が15日、報道陣に公開されました。
「スペーシアX」は100系スペーシアから約33年ぶりとなる新型のフラッグシップ特急として、これまで築き上げてきた伝統や認知度・イメージを維持・継承させつつも、更に進化した上質な車両を目標として開発されました。
車体は高強度のアルミダブルスキン構体を採用。先頭車両(浅草方)からTc1-M1-M2-M3-M4-Tc2の6両編成で、定員は現行スペーシアから76名減の212名です。座席数を減らす代わりにバリエーション豊かな客室空間を構成することで、様々な旅のシチュエーションに対応します。
車体の外装には「胡粉」から着想した白を使い、現行スペーシアの流線形状やラグジュアリーな面影は残しつつもフォルムを現代的に進化させました。窓枠も鹿沼組子や江戸の竹編み細工といった沿線の伝統工芸品を連想させるものとしています。
さっそく内装を見ていきましょう。
6号車コックピットスイート・コンパートメント
浅草方の先頭車(6号車)にはコックピットスイートとコンパートメント(4室)が配置されています。
ベージュ色のソファと人工大理石のテーブルが配置されたコックピットスイートは、客室から車両前方の景色や運転台が楽しめるようになっており、定員7名の上質なプライベート空間を確保します。
コンパートメントは旧スペーシアを踏襲した仕様で、コの字型のソファ中央にテーブル席を配置。大人4人がゆったりと座れる空間となっています。
1号車コックピットラウンジ
反対側の1号車(東武日光方)にはコックピットラウンジを配置。ホテルをイメージしたローテーブルとツートンカラーのソファが特徴的です。カフェカウンターでは生ビールや挽きたてのコーヒーを提供し、前方の景色を眺めながらゆっくりと楽しめる仕様となっています。
5号車にボックスシート
5号車にはボックスシートを配置。向かい合う2シートで構成された半個室仕様で、大きな側テーブルとコンセントを設置することで車窓を眺めながらのテレワークにも対応できる仕様です。小さなお子様連れのご家族や、旅行の幹事が使用する席などとしてもちょうど良さそうです。
プレミアムシート・スタンダードシート
プレミアムシートは2号車に、スタンダードシートは3・4・5号車にそれぞれ配置されています。
プレミアムシートは1+2列配置。シートピッチは1,200mmとゆったりしており、上質な座り心地を提供します。リクライニングは電動式で、バックシェル構造を採用したことで後ろを気にすることなく倒すことができるようになりました。座席には大型のインアームテーブルにコンセント、読書灯を配備し、高い快適性が確保されました。
スタンダードシートは2+2列配置。シートピッチはリバティより100mm広い1,100mmとなっており、各座席に背面テーブル、インアームテーブル、コンセントが設置されています。車いすスペースは5号車です。
東武N100系「スペーシアX」いつデビュー?試運転の予定は
東武N100系「スペーシアX」は2023年7月15日から運行を開始。2023年度までに4編成が納入される予定です。近いうちに試運転も始まり、昼夜試験走行を行う姿も見られるようになるでしょう。
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記事:一橋正浩