新卒入社社員たちは、入社前に不安や心配をかかえていることも多い。しかも、実際に働き出してからもいまだに解消されていない不安や心配もある。

こうした若者たちの悩みを探るべく、経営・組織コンサルティングや従業員むけ研修を展開する識学は、「新卒入社3年未満の若手社員の“働き方に関する調査”」を実施。

20代の新卒入社3年未満の若手社員を対象に、働き方における不安や、仕事への意識、また「もっとこう働いてもいい」という“秘めた本音”を聞き、新卒・若手社員を教育する立場の上司に、新卒・若手社員への接し方、“ハラスメント”への配慮など、双方の視点から調査した。

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その結果と、識学が考察する解決策をチェックしていこう。

入社前不安に「仕事内容が自分に合うか」

新卒・若手社員が入社前不安だったこと「仕事内容が自分に合うか」「仕事についていけるか」がトップ。

いまの会社を“辞めたい・転職したい”半数超え

いまの会社を“辞めたい・転職したい”と58.7%が考えていることが明らかに。

会社を辞めたい理由は「昇給の見込みがない」が上位に

会社を辞めたい理由は、「昇給の見込みがない」「休みがとりづらい」が上位に。

プライベート重視7割超、仕事重視派は3割弱

プライベート重視派の新卒・若手社員は75.3%、いっぽうで仕事重視派は24.7%。

いまの新卒・若手社員の多くはプライベートを重視している。

上司も新卒・若手社員たちをそう観ていた

上司から見て新卒・若手社員は「仕事」と「仕事を重視していると感じる」36.0%、「プライベートを重視していると感じる」64.0%という結果で、前問での新卒・若手社員側の意見と相違なかった。

仕事に対する意欲が著しく低いとはいえない

「やりたい仕事であれば休日出勤などしてもよい」が20.7%、「やりたい仕事であれば残業してもよい」が19.3%という意見が上位に。

いまの新卒・若手社員は、仕事に対する意欲が著しく低いとはいえない。

上司は新卒・若手社員の想いと逆の結果に

上司が「新卒・若手社員が感じているであろうこと」は「定時で帰してほしい」が33.3%、「休日出勤はしたくない」が28.7%で上位。

新卒・若手社員の“秘めた本音” 「やりたい仕事であれば休日出勤や残業してもよい」といった意見とは逆の結果に。

双方の意見が合致していたのは“飲み会”についてだった。

出社派とリモートワーク派は半々

新卒・若手社員は、出社派が52.0%、リモートワーク派が48.0%。

上司は出社派58.7%、リモートワーク派41.3%。上司側がやや出社派が多いという結果に。

上司の半数以上がハラスメントを気にし業務依頼・指摘しにくい

新卒・若手社員に対して、昨今取りざたされている“ハラスメント”を気にして、業務依頼、指摘などしにくいと感じることがあるか上司に聞いたところ、52.0%が「そう思うことがある」と回答した。

ハラスメントに当たるのでは? と感じたエピソード

◆(オンラインミーティングで)顔出しを希望したらハラスメントになると思って、部下のプライバシーを守るためにミュートでの会議の参加を認めました。(24歳女性)

◆字が汚くて読めないことがある後輩がいるのだが、本人は真剣に書いてその字なので、もう少し綺麗に書いてといったらパワハラになると思い、いえなかった。(25歳女性)

◆暇を持て余してそうな後輩に雑務を頼みたいが、忙しいといわれ、無理して頼むとハラスメントになると思うと何も言えない。(28歳女性)

◆部下への注意の時にここまで言ったらハラスメントになると思い、思っていることの半分もいえない。(48歳男性)

―――面と向かって話すことで解決できそうなことでも、新卒・若手社員の顔色をうかがい、躊躇してしまう上司も少なくないようだ。

解決するための鍵は「評価制度」

今回の調査で、新卒・若手社員のうち58.7%がいまの会社を“辞めたい・転職したい”と考えていることが明らかに。

その理由としては昇給、成長や昇進の見込みがないというのが多く挙がっていた。

これを解決するための鍵は「評価制度」。具体的なポイントとしては以下の3つが挙げられる。

(1)誰が見ても出来た/出来ていないが一致する目標になっている

(2)結果と報酬が連動している

(3)平等な采配になっている

(1)誰が見ても出来た/出来ていないが一致する目標になっている

「これだけ頑張ったから昇給して欲しい」と部下が思う一方で、上司からすると「まだ足りていない」「もっとこうして欲しい」「これも出来るようになって欲しい」と思うこともあるのではないか?

このような状態が続くと、「昇給/昇進の見込みがない」といった不満につながる。

そのため、誰が見ても出来た/出来ていないが一致している目標になっていることが重要。

例えば、100万円の売上目標に対して、どんなに頑張っても99万円だったらそれは未達成。

いっぽうで、残業も休日出勤もしなかったが、101万円だったら達成したことになる。

重要なのは、“出来た/出来ていない”の認識が、評価者と本人の間でずれないこと。

また、これにより、未達成の場合は“足りていないこと”が明確になるため、次の行動改善につながる。

(2)結果と報酬が連動している

目標を達成したとしても、結果と報酬が連動していなかった場合は「次も頑張ろう」とは思えない。

そのため、どのくらい達成すれば昇給/昇進するのか、結果と報酬が連動していることも重要なポイント。

これにより、任されている仕事に対して“自分にとってプラスになる業務”ととらえることができ、やりがいを持って各々が達成のために工夫を凝らすようになる。

(3)平等な采配になっている

目標が明確で、どうすれば報酬が上がるか、評価者と本人の間で共通認識を持ったうえで、最後に大切なのは「平等な采配」。

自分と同じ条件で自分よりもパフォーマンスが高い人が周りにいることで、“出来ない言い訳”をすることができなくなる。

そうなると、できない理由は“自分”となり、足りない部分を埋めようと、行動改善を繰り返す。

その結果、出来なかったことが出来るようになる、つまり本人の成長につながっていく。

―――識学の今回の調査では、“やりたい仕事であれば”という条件が付くことで、休日出勤や残業についても受け入れる新卒・若手社員が一定数いることがわかった。

「自分にとってプラスになる(昇給/昇進につながる)仕事と本人が認識できれば、“やりたい仕事”として自ら率先して業務に取り組むきっかけになるかもしれない」と、識学は考察する。

◆識学
https://corp.shikigaku.jp/