プロジェクトに日系企業も参加するHART(c)Honolulu Authority for Rapid Transportation

ハワイの観光をPRするイベント「HAWAI’I EXPO 2023(ハワイエキスポ2023)」が2023年5月27、28の両日、東京都渋谷区の渋谷ヒカリエで開かれ、最新の観光情報が発信された。新型コロナによる中断を挟んで、4年ぶりの実開催で、ハワイ州観光局が主催。航空・旅行会社や現地のホテル、レストランなど53社が出展した。

直接の参加はなかったが、エキスポ会場で話題になったのがオアフ島の新しい鉄道「ホノルル・レール・トランジット=Honolulu Rail Transit」だ。2023年6月30日に、東カポレイ~アロハスタジアム間約15キロが開業する。

日本にあまりニュースが伝わってこないが、現地ではテレビのニュースや新聞などで盛んに取り上げられる。試運転も始まっている。現地の人たちも、「車社会のアメリカ(ハワイ)で、果たして鉄道が受け入れられるのか」と興味津々だ。

ADVERTISEMENT

ハワイでは1888年から1947年ごろまで、オアフ鉄道が約20キロの路線を運行しており、現地では「約75年ぶりの鉄道の復活」として話題を呼ぶ。ホノルル・レール・トランジットのルートは、一部オアフ鉄道とも重なるという。ハワイは、日本と違って鉄道という公共交通機関になじみがないため、一部には「ホノルル・レール・トランジットはモノレール」の誤解もあるようだ。

ハワイ州の政界や経済界がホノルル・レール・トランジットを構想したのは、道路渋滞の環境対策から。ただ今回開通するのは全体計画32キロの西半分の区間で、起点駅にパークアンドライド用の駐車場がないなど課題も多い。

しかしエキスポ会場では、「コロナが収束しても、日本人観光客はまだまだ少ない。鉄道ファンの皆さんも、是非ハワイを訪れてほしい」の期待が聞かれた。旅行会社からは、「ツアーの一部にホノルル・レール・トランジットを組み入れれば、行程に変化が付く」の声があった。

「ハワイエキスポ2023」会場風景

記事:上里夏生