N’EXを先頭に快走するミニトレイン

JR横須賀線と京急本線が走る神奈川県横須賀市で6月4日、「よこすかYYのりものフェスタ2023」が開かれ、「成田エクスプレス(N’EX)」を模したミニ電車の運転や京急のゲームなどに子どもたちの喚声が挙がった。

3、4の2日間の開催が予定されていたが、荒天で初日は中止。天候が回復した2日目は、待ちかねた鉄道ファンや家族連れが、会場のJR横須賀駅や駅近隣のヴェルニー公園を訪れた。

一般には〝軍港〟として知られる横須賀だが、実はもう一つの形容詞が「鉄道の街」。国有鉄道の横須賀線は軍事上の理由から建設が急がれ、明治年間の1889年に大船ー横須賀間が開業。京浜急行電鉄も、昭和初期の1930年に浦賀まで線路を延ばした(当時は湘南電気鉄道)。

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横須賀市観光協会は、そうした鉄道の歴史や魅力をアピールしようと、2009年の横須賀線開業120周年を記念して、「YYスカ線フェスタ」を初開催。京急や海上自衛隊も加わり、回を重ねている。

参加各社のうち、横浜運輸区、小田原・伊豆統括センターなど神奈川県内の機関がこぞってブースを構えたのがJR横浜支社だ。ヴェルニー公園内約50メートルの線路を往復したのは、JR国府津車両センターお手製のミニトレイン。先頭車両はN’EXのE259系、もう片方は特急「サフィール踊り子」のE261系という〝リバーシブル特急〟で、乗車待ちの子どもたちが長い列をつくった。

JR横須賀駅には、2020年からのE235系横須賀線投入で、近い将来に撤退もうわさされるE217系の4両編成を展示。駅に隣接した保守基地では、JR東日本グループのユニオン建設が線路保守用のレールスターやマルチプルタイタンパーを公開した。

保守基地を自走する保守用車両

京急はヴェルニー公園に出展。自社路線に見立てたコースに来場者がボールをころがす、シンプルなゲームで年少ファミリー客を喜ばせた。京急グループはバス部門も参加。横須賀市内を走るラッピングバスの運転席を開放して、シャッターチャンスを提供した。

顔はめパネルなどでにぎわう京急ブース

フェスタを主催した横須賀市観光協会の安田祐二事務局長補佐は、「横須賀は自然や食など観光資源が豊富。行きはJR、帰りは京急と乗車列車を変えて、鉄道ファンの皆さんにも街を訪れてほしい」と話した。

記事:上里夏生