2023年11月18日(土)に開催された「半蔵門線周年記念見学撮影会 in 鷺沼車両基地」という東京メトロのイベントの模様をレポートします。

親子で車両撮影と工場見学ができるファミリー向けイベント

今回のイベントは、東京メトロとクラブツーリズムが共同で開催をしたイベントで、一般向けの「一般コース」と、小学生の子供を含む親子2名(もしくは子供2大人2の4名)が参加できる「ファミリーコース」の2つのコース設定があります。今回、取材をさせて頂いたのは、親子で参加をするファミリーコースです。イベントでは、車両基地内での車両撮影と、工場見学および作業体験を楽しむことができ、大人が6,000円、子供3,000円で販売されました。(一般コースは1名12,000円、150名が参加)
東京メトロ半蔵門線が、最初の営業区間である渋谷~青山一丁目駅間の開業から45周年、そして全線開業 (渋谷〜押上駅間)から20周年を迎えること、さらに日比谷線車両や半蔵門線車両の定期検査を行っている鷺沼工場の設立から40周年を迎えることを記念したイベントです。

東京メトロ鷺沼車両基地でのイベント開催は、ほぼ初めて とのことですで大変貴重な機会です

東京メトロ 鷺沼車両基地はどこにある?

今回のイベント会場は、東京メトロの鷺沼(さぎぬま)車両基地。神奈川県川崎市の東急田園都市線鷺沼駅から徒歩5分ほどの場所にありますが、東京メトロの路線がない川崎市に、なぜか”飛び地”として存在する、東京メトロ半蔵門線の車両基地になります。実はこの場所は、元々は半蔵門線が相互乗り入れを行っている東急電鉄の車両基地で、営団地下鉄時代の半蔵門線が自社路線内に車両基地を置けなかったことから、この場所を譲り受けたということのようです。そんな東京メトロ鷺沼車両基地ですが、東京メトロの車両基地に変わってから40周年を迎えるということもあり、今回はこの鷺沼車両基地でイベントを開催することが決まったようです。今まで有料イベントの実施がない場所ということなので、初めての貴重な体験ができるイベントとなりました。

まずは工場見学と体験を楽しみます

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今回のファミリーコースに参加をしたのは、23組46名の親子連れです。受付を終え、早速イベント開始。通常は一般人が立ち入れない車両基地の中を、案内に従って進んでいきます。

関係者しか立ち入れない敷地内。左右を見て慎重に線路を横切ります。

車両工場に入ると、列車の車両を整備するところなので当然ではありますが、その大きさ、広さに驚きながら、進んできます。

工場内に入ると思わず速足になり進んでいきます

この日の工場内には、日比谷線の13000系の車両の姿が。この鷺沼工場では、この車両工場のある東急田園都市線と直接乗り入れを行っている半蔵門線の車両に加え、日比谷線の車両の検査も行っています。

鷺沼工場のヘッドマークが掲げられた、東京メトロ日比谷線13000系電車の姿が

今回のイベントで参加した親子の案内や説明係をしてくれたのは、東京メトロの現役の運転士さんや工場スタッフの方々。普段とは違うお仕事ですが、やさしく対応をしてくれていましたす。

現役の運転士・整備士
運転士さんなどに色々な質問ができる、貴重な体験です

工場内での作業体験コーナーでは、子供たちが「打音検査」の体験をしました。車軸についている部品のボルトをたたいて、その音で、きちんと閉まっているを見分ける検査のようです。

やり方を教わってから、実際に検査作業を行います
なかなか体験できない検査作業です

もう一つの体験コーナーは、「車内放送装置体験」。実際に使用されていた放送装置のマイクから、車内放送を行い、車掌気分を味わうことができるものです。

「この電車は中目黒行きです」とアナウンス体験を

車両を下から見たり、普段は触れない場所に触ったりと、貴重な体験ができた工場見学でした。

直接車両に触れられる、なかなかできない体験です


後半は車両撮影会です

工場見学・作業体験を終えた後は、車両撮影会です。車両基地の中を歩いて、車両撮影の場所まで移動します。

なかなかお目にかかれない、車両基地内の景色です

事前のツアー告知では、半蔵門線の現役車両の3種類を並べて展示・撮影会となっていましたが、サプライズで日比谷線の13000系(一番右)も一緒に並んでいます。 半蔵門線の車両は、一番最新2021年登場の18000系(左端)、水天宮前~押上間官業の2003年登場の08系(左から2番目)、そして1981年に運行開始の8000系(右から2番目)という3編成が並んでいます。

半蔵門線に加え、日比谷線車両も並びます

車両そのものの撮影はもちろんですが、運転士、駅員などの制服が用意されていたので着替えて車両前での記念撮影などを楽しんでいました。

子供用の制服も用意されていました

2021年から登場した半蔵門線の最新車両が、18000系です。

電車のすぐ近くまで行くことができます

子供達も、自分のカメラやスマホで、車両の撮影を楽しんでいました。

子供達も撮影するのに夢中です

半蔵門線の初代車両で、長年現役で運行を続けているのが8000系です。老朽化に伴う置き換え用として18000系が登場し、25年度までの全ての置き換えが発表されているため、現役で走る姿を見られるのも残りわずかな期間です。

引退が決まっている8000系と貴重な記念撮影です

秋の青空の中での車両撮影は、気持ちよさそうです。

ヘッドマークや行先表示を何種類か変更して撮影を楽しんでいます

撮影会も約1時間で終了。8000系と18000系が現役で並ぶのも、残り少しということもあり、参加した皆さんも貴重な並びを写真におさめたことでしょう。東京メトロのキャラクターのメトポンとも一緒に撮影をして、本日のイベントは終了です。

各車両ともに01番編成が並んでいました

今回は、東京メトロ半蔵門線の最初の開業から45周年、全線開業から20周年、鷺沼工場設立から40周年を記念した、車両撮影会&工場見学イベントをレポートしました。
今回のように○○周年という記念イベントが何度も続くわけではないでしょうが、東京メトロとしては「社内の色々なセクションの人間がイベントに参加をして、お客様と触れ合うことで、社員のモチベーションに繋がるところもある」ということでした。
首都圏という人口の多い地域の鉄道路線ですので、このようなファミリー向けイベントに参加をしたいと感じる方も多いと思われます。また何かのきっかけで企画される、新しいイベントを楽しみに待ちましょう。

取材にご協力いただいた皆様ありがとうございました。(レポート・写真:鎌田啓吾/鉄道チャンネル)

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