旧南海カラーで銚子入りした南海2200系電車(写真:銚子電鉄)

銚電に待ちに待った「新車」がやってきた!! 2023年7月に開催された、開業100周年記念の「銚電まつり」で発表され、ファンの間でさまざまな憶測を呼んだ、銚子電気鉄道の新しい車両が2024年2月8日未明、千葉県銚子市の車両基地に搬入された。

南海電気鉄道から譲受したのは、2200系電車2両1編成。銚電では新車ながら、メーカーでの新製は1969年。学生運動で東大安田講堂の攻防があり、国鉄が旅客車の等級制を廃止してグリーン車を新設した〝55年前の新型車両〟だ。

銚電は沿線に広がるキャベツ畑に溶け込むよう、薄いグリーンの地色に濃いグリーンの帯を通す、南海の新製当時の外装色に化粧直し。銚電の新しいフラッグシップトレインとして、2024年3月から営業運転に入る。

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歴史をたどれば、1960年代後半からの南海は新車ラッシュに沸いた。1969年に南海本線に7100系、翌1970年に高野線に6100系、1974年に高野線に6200系が登場した。

銚電に譲渡された2200系(登場時の22000系)もそうした流れの中にある車両だが、他形式との違いは、一般車両が車体長20メートルなのに対し、2200系は17メートルと一回り短い点だ。

南海高野線は、終点の極楽橋に近い区間が線形の関係で乗り入れ車両に制限を受ける。車体長の短い2200系は、南海線ならどこでも走れる汎用性を買われ、高野線のほか本線の支線や汐見橋線(正式には高野線の一部)の主力車両として活躍してきた。

ところで、関東の鉄道でレアケースといえるのが、関西地方からの車両譲受。南海からの譲渡車は、茨城県の関東鉄道の気動車・キハ755(元南海キハ5505)、埼玉県の秩父鉄道の電気機関車・ED381(元南海山手線〈旧阪和電気鉄道=現在のJR阪和線〉の1000形)がある程度だ。

銚電ファン・南海ファンは、次なる情報発信を待ちたいところ。譲受車の営業運転開始に伴い、2000形(元京王電鉄、元伊予鉄道)2両は引退する。

記事:上里夏生

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