浜松町駅周辺の再開発進捗状況 羽田空港からの玄関口&地下鉄 大門駅、東京タワーが近い「広域品川圏」北の拠点駅
通路3階には町を見渡せる絶景ポイント! 駅南東のブルーフロント芝浦
JR浜松町駅の線路の東側にある3階レベルのデッキ上から西方向を見ると、眼下ににはJRの線路が見られ、少し遠くに東京タワーが見える絶景ポイントが広がります。ここからは、先ほどの世界貿易センタービルディング本館の建設現場も、良く見えます。JR山手線や京浜東北線、東海道線に加え、東海道新幹線も走る区間ですので、JRの鉄道車両を見るのにも適した場所になっています。

下の写真のように、3階レベルのJR浜松町駅の橋上駅舎・北口東西連絡通路とつながる場所は、現在は柵で閉鎖されています。柵の外側では、3階通路の整備が進んでいます。

この東側橋台の3階から南側を見ると、JR浜松町駅の東側にある「旧芝離宮恩賜庭園」の美しい眺めや、遠くにはレインボーブリッジを望むこともできます。

いよいよ1つ目のタワーの竣工が間近に「ブルーフロント芝浦」
さて、ここからは、浜松町駅の南東で進行中の再開発の状況をお伝えします。
進行中の大型プロジェクトは「BLUE FRONT SHIBAURA(ブルーフロント芝浦)」という名称で、野村不動産とJR東日本が主体となって進められています。位置と完成後イメージは下記の図にようになります。

浜松町駅に近くの芝浦地区で、東京湾にも間近という立地を活用した、「水辺ならではのライフスタイルを創造し、これを広め、東京のベイエリアをつないでいく」ことを目指すプロジェクトです。

1984年からの東芝本社がある高層ビル「浜松町ビルディング」とJR東日本の「東海道貨物支線大汐線用地」を合わせた4ヘクタールを超える敷地で進められている事業で、「S棟」と「N棟」のツインタワーになる計画です。
このツインタワーは、まずは南側に建つS棟の整備から始められます。下記の浜松町駅から見た写真では、右の青っぽいビルが既におおよその工事を終えたS棟となり、左がN棟への建替前の 浜松町ビルディング です。

現在は、S棟の北隣には浜松町ビルディングが建っていますが、2027年度には解体されて、高さ約235メートルのN棟が建設される予定です。浜松町ビルディングに入る東芝の本社は、神奈川・川崎地区にある同社の拠点に2025年度上期中に移転・集約することが発表されています。

浜松町駅方面からつながる通路は、現在は下左のような屋根付き通路で結ばれていますが、こちらもビルの運用開始前後からは下右にある、今よりも西側・JR線路側にある新しい通路に移行される予定です。

浜松町駅とをつなぐ緑のアプローチの整備
少し南に進み、2025年2月下旬時点では、線路東側を南へ向かう途中から、下写真のような新しい歩行者通路の一部分を暫定的に利用可能となっています。線路沿いの遊歩道なので、走行する鉄道車両が見えます。

北側の浜松町方面を振り返ると、新しい通路の整備がほぼ出来ているのが分かります。下写真の奥の階段エスカレーターからは、JR線路上を東西にまたぐ、新しい南口の東西自由通路に繋がっています。

再び南に向かって歩くと、浜松町ビルディングやブルーフロント芝浦S棟方面への階段通路まだ閉じられていますが、整備は大方終わっているのが分かります。

新しい建物との連絡口前には「BLUE FRONT SHIBAURA TOWER S」の表示が見えていて、2階につながる階段・エスカレーターが確認できます。

歩行者通路は、ブルーフロント芝浦S棟の南側まで既に整っているようです。建物の南側には、いくつかの飲食店やドラッグストア・コンビニなどが入るシーバンス・ア・モールがあります。

2025年7月1日開業のホテル「フェアモント東京」
ブルーフロント芝浦S棟を南西側から見ると、外観はほぼ出来上がっているのが分かります。南側の壁面には、2025年7月1日に上層の35~43階に開業する、「フェアモント」ホテルの大きなロゴが目に入ります。

フェアモント・ホテルズ&リゾート(Fairmont Hotels and Resorts)は、1907年にカナダで創業した高級ホテルチェーンで、「フェアモント サンフランシスコ」や「フェアモント バンフ スプリングス」、「ザ プラザ ニューヨーク」など、その場所での象徴的なホテルも多く、現在はアコーホテルズ(Accor)の傘下にあります。
世界中でさまざまな価格帯のホテルブランドを展開しているアコーホテルズの中でも、フェアモントホテルは、ラグジュアリー(高級)ブランドに位置付けられています。日本初進出となる「フェアモント東京」は、レインボーブリッジから東京タワーまでのパノラマビューが魅力で、東京湾を望むオーシャンビューと、都心の風景であるシティビューの両方を贅沢に楽しめます。

ホテルには、絶景を望む217の客室とスイート、スパ、屋外テラス、そして屋内インフィニティプールなどの施設が用意され、ゆったりとした穏やかなひとときを過ごすことができます。5つのレストラン&バーでは、地元の食材と世界のエッセンスが融合するユニークな美食体験が楽しめます。

43階には、東京湾と都心のパノラマビューが広がる「SKYチャペル」が設けられます。既にフェアモント東京での、ウエディングや宴会の予約受付が開始されています。

カナダやアメリカ、ヨーロッパの都市にあるフェアモントホテルは、歴史的な建物や文化的な価値を持つホテルを多く運営していることが特徴であるため、フェアモント東京も、こうしたブランドの価値を引き継ぎつつ、東京という大都市で新たなスタイルのラグジュアリーホテルを提供することが期待されています。

ブルーフロント芝浦S棟のオフィス部分は7~33階が予定されており、現在は西新宿に本社がある野村不動産をはじめ、野村不動産グループ各社の本社が移転されることが、既に発表されています。
開業を待つS棟と、これから建てられるN棟ともに、建物の西側は、運河に面しています。

建物低層部は芝浦運河や船着場などとシームレスにつながり、水辺に面したバルコニーや緑に囲まれたテラス等自然を感じられる空間づくりが行われるとしています。

2025年の夏から順次開業するS棟の商業施設は、低層部の1~3階で、店舗面積は約3305㎡です。フードホールなど飲食店25店舗を含む、40店舗が予定されています。また、隣のN棟にも、商業エリアができる予定です。

さて、2025年2月時点での浜松町駅付近の、再開発・工事の進捗状況をお伝えしてきました。今後も変わって行く東京中心部の街並みを、お近くを通りががった際には眺めてみてください。
※この記事の現場写真は、2025年1月末~2月下旬頃に撮影したものです。(文・写真:鎌田啓吾 )
(鉄道チャンネル)
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