東武鉄道は、東武アーバンパークライン(野田線)初石駅において整備を進めていた「橋上駅舎」および「自由通路」を、2025年12月21日(日)の始発列車より供用開始すると発表しました。これにより、長年の課題であった「東口」がついに開設され、駅の東西を自由に行き来できるようになります。本新しくなる駅舎の特徴やバリアフリー設備、今後の駅前広場整備の予定について詳しく紹介します。

ついに「東口」が開く!

これまで初石駅を利用する際、駅の東側に住む人々はハンデを背負っていました。改札口が西側にしかなかったため、目の前にホームが見えているのに、交通量の多い狭い踏切を渡って西側へ回り込まなければならなかったのです。

そんな苦労も2025年12月21日で終わりを迎えます。新たに整備された「自由通路」と「橋上駅舎」により、待望の「東口」が開設されます。これからは線路をまたいで自由に東西を行き来できるようになり、東側からもスムーズに改札へアクセス可能に。踏切待ちのストレスから解放され、毎日の通勤通学が楽になります。

この東口開設は、棚からぼたもち的に実現したわけではありません。2018(平成30)年には、地元自治会などが中心となり「東口改札の早期設置」を求める1万2000名もの署名が集められました。そうして東武鉄道との協議を経て、ついに「橋上化+自由通路」という形での実現に漕ぎ着けたのです。

「流山おおたかの森」の隣駅!実は超重要な立地だった

地図(イメージ)

初石駅の場所を改めて地図で確認してみましょう。初石駅は、つくばエクスプレス(TX)と交差するビッグターミナル「流山おおたかの森駅」のすぐ隣(大宮方面)に位置しています。地図を見るとわかるように、周辺には柏駅や南流山駅など主要な乗り換え拠点が点在しており、都心へのアクセスも良好なエリアです。

新駅舎は「橋上化」エレベーター完備でベビーカーも余裕の通過

新しくなるのは出入り口だけではありません。駅舎そのものが、線路の上にまたがる「橋上駅舎」へと進化します。これに伴い、現在の西側にある旧駅舎と改札は閉鎖され、機能は2階部分へ集約されます。

階段地獄とは無縁?バリアフリー装備

新しい駅舎のスペックは、現代のニーズに対応しています。東口・西口の双方にエスカレーターとエレベーターを完備。ベビーカーを押すパパ・ママや、大きなスーツケースを持った旅行者も安心です。改札内には多機能トイレも新設されます。

柏市民も他人事じゃない?市境の駅ならではの協力体制

実はこのプロジェクト、初石駅自体は流山市にありますが、お隣の柏市も資金面で協力しています。初石駅は柏市民の利用者も多いため、自由通路の整備費の一部を柏市が負担しているのです。自治体の枠を超えた連携によって、地域の交通利便性が守られているというわけです。

「初石駅施設整備事業」概要

イメージ

今回完成する施設の詳細は以下の通りです。

・供用開始日時:2025年12月21日(日) 始発列車から
・場所:東武アーバンパークライン(野田線)初石駅

【主な整備内容】
・橋上駅舎:新改札口、駅事務室、コンコース、構内トイレ
・自由通路:駅の東西を結ぶ通路(東口・西口の新設)
・バリアフリー設備:各所にエレベーター、エスカレーターを設置

【今後のスケジュール】
・令和6年度(2024年度)以降:東口駅前広場の整備、西口駅前広場の暫定整備など

長年の悲願だった「東口」がついに実現する初石駅。流山おおたかの森駅の隣という好立地にふさわしい、便利で快適な駅へと進化を遂げます。毎日の通勤・通学が便利になるだけでなく、駅周辺の回遊性向上による街の活性化も期待できそうです。新しく生まれ変わった初石駅から、快適な一日をスタートさせてみてはいかがでしょうか。
(画像:流山市・東武鉄道、TOP画像:柏市のWebサイトより)

鉄道チャンネル編集部
(旅と週末おでかけ!鉄道チャンネル)

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