【なにわ筋線】総事業費「6425億円」へほぼ倍増 増額分の半分強は工事費単価上昇、それでもB/C1.05で継続「妥当」

大阪駅と難波を南北に結ぶ新線「なにわ筋線」の総事業費が、当初の3291億円から6425億円へ増える見通しとなりました。大阪市が8月18日に開いた大規模事業リスク管理会議で、整備主体の関西高速鉄道による精査結果を示しました。増額は3134億円。2031年春(2030年度末)の開業目標は維持されています。
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なにわ筋線は、2023年3月に開業した大阪駅(うめきたエリア)とJR難波駅、南海本線の新今宮駅を結ぶ約7.2キロの新線です。地下区間は約6.5キロ。(仮称)中之島駅、(仮称)西本町駅、(仮称)南海新難波駅の3駅を新設し、JR西日本と南海電鉄が運行を担う計画です。想定利用者数は今回の事業評価で1日24.3万人とされています。

総事業費は単純計算で当初の約1.95倍。4月時点では増額分を約3200億円、総事業費を約6500億円と見込んでいましたが、その後の精査やコスト縮減を経て6425億円となりました。
なぜ3134億円増える? 半分強を占める工事費単価
増額の最大要因は物価高騰です。資材費や労務費の上昇による「工事費単価の増」が1645億円で、増額分3134億円の約52%。つまり、増額分の半分強をこの項目だけで占めます。
さらに、土地価格や建物補償費、労務費の上昇による「用地費単価の増」が459億円。工事費と用地費を合わせた物価高騰の影響は2104億円で、増額分の約67%に達します。大阪市も今回の増額について、約7割が物価高騰や地価上昇によるものと整理しています。
工事費単価は、労務費、コンクリート、鋼材などの上昇率を使い、代表的な工種の構成比から事業全体への影響を算出しました。用地費は、なにわ筋線周辺の土地価格の上昇率の平均値などを用いています。いずれも当初事業費を算定した2017年度を100として比較しています。
一方、値上がりだけで3134億円すべてを説明できるわけではありません。現地調査で判明した予期せぬ地中障害物の撤去などに390億円、詳細設計に伴うシールドの仕様変更などに285億円を追加。工事内容の見直しに伴う追加費用は675億円となりました。
関係者との協議に伴う追加費用は441億円です。近接する構造物への影響を抑える安全対策などに349億円、工事中や開業後の騒音対策などに92億円を見込みます。このほか建設中の利息として25億円を追加しました。
その一方で、立坑の縮小などによって111億円を削減。大阪市は、現地調査や詳細設計、関係者協議に伴う追加措置について、安全性の確保や環境対策などの観点から必要性が認められるとしています。コスト縮減の取り組みも踏まえ、今回の精査結果を妥当と判断しました。
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