だんだん山に近づきます

相老駅を出て東武鉄道と分かれた後、今度は上毛電鉄上毛線の下をくぐります。

じきに運動公園駅です。先程下をくぐった上毛電鉄の桐生野球場前駅と桐生運動公園をはさんで300mほどで向かい合っていて、乗換駅となっています。1989年(平成元年)わたらせ渓谷鐵道に移管された時に開業しました。

線路は右にカーブして北に向かいます。正面の山塊に向かっています。

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山をバックにわたらせ渓谷鐵道の中心駅、大間々駅に着きます。相対式2面2線で列車交換がある様です。

ホームは跨線橋で結ばれています。右側に車両基地があります。JR両毛線の岩宿駅が1889年(明治22年)に大間々駅として開業していたため、この駅は当初「大間々町停車場」でした。両毛線の駅が所在地名の「岩宿駅」に改称されたので1912年(大正元年)大間々駅に改称されました。

交換する桐生行はWKT-500形502号です。上りと下り両方のプラットホームが登録有形文化財です。

駅名標の向こう側に「わ89ー300形」。

時間があったので駅舎の外に出てみました。わたらせ渓谷鐵道本社もここにあります。

客車「やませみ」がトロッコ列車専用ホームの0番線に駐まっています。大間々はトロッコ列車の始発駅です。開口部分には白いシートが掛けられています。

大間々駅を出発しました。後方展望です。「やませみ」のアタマに牽引するDE10形1617が付いています。

前面展望に戻ります。山の間に這入ってゆきます。右下は渡良瀬川、県道257線の福岡大橋が見えます。この辺りから最初の見所「七曲の渓」と呼ばれる渓谷が始まります。

わたらせ渓谷線は「七曲の渓」渓谷に沿って「第一神梅トンネル」「第二神梅トンネル」「第三神梅トンネル」の3つのトンネルを通ります。3つのトンネルは登録有形文化財です。

「第一神梅トンネル」の手前に写真ではちょっと見難いのですが手振山架樋(かけひ)があり、これも登録有形文化財です。線路に雨水や土砂が流入しない様に架けられた樋。というか、最初に見た時はいったい何なのか分かりませんでした。かなり奇妙で大きいのです。1930年(昭和5年)に作られた鉄筋コンクリート製。

「第二神梅トンネル」

「第三神梅トンネル」

上神梅駅に到着。

1912年(大正元年)に作られた木造駅舎とプラットホームは国の登録有形文化財です。

築100年以上の駅舎、なかなかの風情です。

各駅停車でゆっくり行きます。わたらせ渓谷線はとにかく車窓も駅も見所がたくさんあります。【私鉄に乗ろう 13】わたらせ渓谷鐵道 その3 本宿駅〜小中駅 に続きます。

(写真・記事/住田至朗)