昨年北海道に甚大な被害をもたらした颱風を覚えていますか?

颱風9号(Mindulle:たんぽぽ)2016年(平成28年)8月23日北海道日高地方に上陸。
颱風10号(Lionrock)同年8月30日北海道伊達市で1時間に70.0ミリの降雨

8月31日、颱風10号の降雨災害で、幾寅駅 – 新得駅間で土砂流入、落合駅 – 新得駅の第1ルーオマンソラプチ川橋梁が崩壊、広内信号場構内の第2谷間川橋梁で線路流出、新得駅構内で路盤流出および下新得川橋梁が橋脚ごと流出、新得駅 – 十勝清水駅間の第1佐幌川橋梁が流失、十勝清水駅構内で線路冠水、十勝清水駅 – 羽帯駅間で土砂流入、清水川橋梁・平野川橋梁が流失、魚捕川橋梁で路盤変状、御影駅 – 芽室駅間の芽室川橋梁の路盤流失。

このため、富良野駅 – 新得駅 – 音別駅間が運休となり、特急「スーパーおおぞら」・「スーパーとかち」も全列車が運休しました。

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10月17日 富良野駅〜東鹿越駅間 運行再開
12月22日 上落合信号所〜芽室駅間復旧 特急「スーパーおおぞら」・「スーパーとかち」運転再開

JR北海道は2016年10月に富良野駅〜上落合信号場館はJR北海道単独では維持が不可能として廃止・バス転換の検討を発表しましたが、幸か不幸か災害のためにこの件は棚上げされている様です。富良野駅〜新得駅間の2015年度の営業係数(100円稼ぐために必要な経費)は1854円です。

滝川発釧路行普通2429D

サボには「日本一長い距離を走る定期普通列車(2429D)」と書いてあります

2016年のダイヤ改正まで日本一長い時間をかけて走る普通列車として有名でした。滝川駅から終点の釧路まで505分(8時間25分)かけて308.4kmを走りました。筆者は2014年7月にこの列車に乗りました。今回はその時に撮った写真を紹介します。

※2429Dは2016年のダイヤ改正で2427Dになり、4分短い8時間21分かけて滝川駅〜釧路駅間を結んでいます

東鹿越駅です。2017年3月に島ノ下駅と共に廃止される予定でした。現在はこの駅始発で滝川行普通列車4本と富良野行が1本、富良野行の快速1本が運転されています。新得方面には代行バスが4本運行されています。東鹿越駅〜上落合信号場間は復旧の目処がたっていません。

現在列車の来ない幾寅駅。1999年(平成11年)に公開された高倉健主演の映画「鉄道員(ぽっぽや)」の「幌舞駅」のロケセットに使われて有名になりました。

映画で使われた「キハ12 23」(実際はキハ40 764)が見えています。多くの映画ファンが訪れています。※トップ画像参照

落合駅。1966年(昭和41年)に新狩勝トンネルが開通し、急勾配でスイッチバックの狩勝峠越え旧線から現行の新線に切り替えられましたが、旧線時代は峠超えの機関車などがこの駅に配置され落合機関庫がありました。

廃止された旧線の狩勝峠付近は、JR東日本篠ノ井線姨捨駅(善光寺平)、JR九州肥薩線矢岳駅付近の矢岳越えと並ぶ「日本三大車窓」の1つでした。

駅名標。この駅と新得の間が国鉄時代1966年まで難所だったのですね。トンネル内にある上落合信号場からは札幌方面に優等列車が走る石勝線が分岐しています。

列車交換で停車しました。2429Dに乗っています。

木造駅舎が良い雰囲気でした。

落合駅から新得側にはトンネルに入ってゆきます。

(写真・記事/住田至朗)