インド、デリーとムンバイの間(約1500キロ)に新線を建設し、電気機関車けん引で二段積み貨物コンテナを大量高速輸送するインド貨物専用鉄道建設計画。インドと日本の間で、「タイド円借款制度を活用しつつ、日本の技術と知見の導入により、同計画の提案の実行可能性を検討する」(2005年)、「西回廊全体についての資金と実施スケジュールの早期確定に努力する」(2009年)と同意されている、こうしたデリー・ムンバイ間産業大動脈構想に、新たな動きがありました。

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、日印共同のデリー・ムンバイ間産業大動脈構想において、日立製作所、日立システムズ、伊藤忠商事とともに、同国ラジャスタン州ニムラナ工業団地のユーザー企業向けマイクログリッドシステム実証を開始。太陽光発電を活用した安定電力供給の実現に向けた実証事業を、デリー・ムンバイ産業大動脈開発公社(DMICDC)と共同で実施します。

このマイクログリッドシステムは、1メガワット規模の太陽光発電システムと、ディーゼル発電機を組み合わせて制御することにより、安定的な電力供給をめざすもの。試運転を経て、ニムラナ工業団地のユーザー企業向け実証事業を2年間実施し、日本のマイクログリッド技術の有効性を実証し、同国での普及をめざします。

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デリー・ムンバイ間産業大動脈構想は、両都市間に、貨物専用鉄道(円借款4500億円)を敷設し、周辺の工業団地、物流基地、発電所、道路、港湾、住居、商業施設といったインフラを、民間投資主体で整備する日印共同の地域開発構想。今回の実証開始は、この構想に向けた一歩といえます。