欧亜国際連絡列車が発着した敦賀港線、137年の歴史に幕_2019年4月廃止
東京から東海道線、北陸線を経て敦賀港―――。
敦賀港から航路でウラジオストクへ。ハバロフスク、イルクーツク、そしてモスクワからヨーロッパ各地へ……。
そんな欧亜国際連絡列車の面影をかすかに残す「東洋の波止場」、敦賀港のレールが消滅する。
JR貨物は、1882(明治15)年3月に開業した北陸線 敦賀~敦賀港(通称 敦賀港線)2.7kmを2019年4月1日に廃止。137年の歴史に幕を引く。
敦賀港線は、同社の第1種鉄道事業線区。
同社は、このエリアの発送量が大幅に減少したため、2009年度に敦賀港駅のコンテナ取り扱いを、列車に代わりトラックでコンテナ輸送する「敦賀港オフレールステーション」(現在は敦賀港新営業所)に改編。
以降、輸送需要の拡大に取り組みながら、列車の運行再開に見合う需要を見込めないことから、2016年4月1日から敦賀~敦賀港の間を事業休止。
その後、事業の廃止を含めた検討、同区間を廃止した場合の再活用について、関係自治体と協議してきた。
その結果、列車の運行再開に見合う需要が引き続き見込めず、関係自治体と協議し、同区間の事業廃止について確認。2019年4月1日付で廃止することとし、国土交通省に敦賀港線 第1種鉄道事業廃止を届け出た。
敦賀港新営業所のコンテナ貨物取り扱いは、これまでどおりトラック輸送を続ける。
輸送品目はおもに化学工業品や食料工業品。
輸送量の変化をみると、貨物列車時代の2006年度は輸送量1万9000トン。オフレールステーション期の2017年度は8000トンまで落ち込んだ。