※この「私鉄に乗ろう」の写真は、筆者がプライベートな旅で撮影したものです。鉄道会社さんから許可をいただいていませんので、乗車券があれば誰でも入れる場所から、手持ちで撮影したスナップ写真です。ポケットに入るコンパクト・デジタルカメラ(SONY DSC-WX500)で撮影しています。今回は、ほとんどが2018年4月2日に撮影した写真。例外的に2014年9月6日、2016年4月23日に撮った写真も使用します。この写真は2014年9月6日撮影。

井川線はダム建設の資材運搬用に敷設された専用鉄道

1935年(昭和10年)大井川電力の専用鉄道として千頭〜大井川発電所(奥泉付近・現在は廃止)間で運行を開始。762mmの軽便鉄道規格。翌1936年(昭和11年)狭軌(1,067mm)に改軌。1954年(昭和29年)中部電力の専用鉄道として大井川ダム〜堂平(井川から分岐する貨物線の終点・現在休止中)間運行開始。1959年(昭和34年)中部電力専用鉄道を大井川鉄道が引き継ぎ大井川鐵道井川線として旅客営業を開始。1990年(平成2年)アプトいちしろ〜接岨峡温泉が新線に変更、アプトいちしろ〜長島ダム間がアプト式で電化。

千頭〜井川間25.5km、起終点を含む14駅があります。トンネル61箇所、橋梁55箇所。全線の3分の1がトンネルと橋梁です。

ADVERTISEMENT

筆者は、2014年9月6日に井川線を訪れましたが、その4日前に閑蔵駅南600mで崩土が発生し接岨峡温泉〜井川間が不通になってしまいました。2017年3月にこの区間が復旧して、ようやく2018年4月2日に再訪しています。

井川線は千頭駅6番ホームから発着します。駅名標。

※2018年4月2日撮影

千頭〜アプトいちしろ間、先頭は制御客車クハ600形で運転台があります。機関車(ED90形)は最後尾の千頭側から押して進みます。乗った日は特別編成で制御車を含む客車5両を2台のディーゼル機関車が押します。右側に坐れば前面展望がキレイに撮影できるのですが先客が居たので運転士さんの背後から撮るしかありません。立ち上がって撮っていたら後から「おっさん、邪魔や、前が見えないから坐れや!」と丁寧とは言い難い言葉遣いで御要望があったので(そりゃ当然、乗り合わせた方にも前面展望を観る権利はありますから)狭い場所に坐って撮影しています。それ故、乗客の大半が下車する接岨峡温泉駅までは”見苦しい写真”が続きます。御容赦ください。

※2018年4月2日撮影

ちなみに「おっさん、坐れや」と要望された方は、メインの右側車窓ばかり見ていて前面展望はほとんど見ていませんでした。だって前面展望はぐねぐねカーブが連続するばかりで景色なんてほとんど見えないんですから。(笑)そして右側の特等席の方は、だいぶんお酒を召し上がった後の様で(ちなみに運行は昼です)行程のほとんどを寝ておられました。つか、寝ているダケなら場所を換わって欲しかったナ・・・。

千頭駅構内は広く多くの車両が留置されています。

※2018年4月2日撮影

千頭駅を出発。隣の川根両国駅から伸びる側線の終端部に古い車両が留置されています。

※2018年4月2日撮影

かなり傷んでいますが客車の様です。かつて側線で運転されていたSL用かな。

※2018年4月2日撮影

千頭から1.1kmで川根両国駅。薄く低い相対式ホームがあります。側線が多く、貨車が留置されています。桜が満開! 大井川の花見もお楽しみください。

※2018年4月2日撮影

駅舎かな、と思ったら両国乗務区の建物です。

※2018年4月2日撮影

ずいぶん新しい駅名標。

※2018年4月2日撮影

井川線の車両整備を行う両国車輛区と保線区が併設されています。

※2018年4月2日撮影

川根両国駅を出ると線路脇に使われていない建造物、ホッパーの様ですが、何を積むためのものだったのでしょうか。もしかすると沢間駅から分岐していた千頭森林鉄道(千頭営林署の森林軌道/1969年廃止)の設備だったのかもしれませんね。

※2018年4月2日撮影

1.3kmで沢間駅。ホームが低いので駅というよりも路面電車の停留所。

※2018年4月2日撮影

駅名標は旧字で澤間になっています。

※2018年4月2日撮影

2014年に来た時、駅舎は黒っぽい色だったよーな気がします。

※2018年4月2日撮影

では、次回【私鉄に乗ろう 53】大井川鐵道井川線 その2 に続きます。

(写真・記事/住田至朗)