西日本鉄道と日立製作所は、次世代バス事業で協創を開始。その第一弾として、先端のICTを活用し、バスダイヤ運行計画支援システムの構築に取り組む。

背景には、バス業界での長時間労働による離職、採用難など慢性的な乗務員不足の問題がある。

西鉄は、これまで、ユーザーの利便性向上と、乗務員の労働時間短縮を両立させた運行ダイヤの最適化を実施してきた。

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また、ダイヤ編成のもととなる基礎データの分析は、大量のデータ抽出や、加工作業に時間を要し、路線の計画や見直しのための分析が効率的にできず、ダイヤ作成者の大きな負担だった。

こうした課題にむけ、西鉄と日立は、公共交通の維持と業務の効率化を両立する最適な運行計画の策定をめざして、ICTを活用した次世代バス事業に関するグランドデザインの検討を、2016年8月から共同ですすめてきた。

バスの本数や利用者数を可視化して路線状況を効率的に分析するなど、実際のデータを活用した実証を重ね、今回その有効性を確認できたことから、ダイヤ編成の業務を支援するシステムを本格的に構築していく。

具体的には、バスの走行実績やバスの乗降に関する統計データを活用し、停留所ごとの乗車・降車の需要を分析し、出発地・目的地ごとの需要や運行本数、方面別の利用者数などを地図上に可視化。

運行経路の需給状況やバス一台ごとの運行状況についても捕捉し、路線の混雑具合や潜在的な需要の把握など、最適なダイヤ編成に向けた取り組みを強化する。

今後は、実際のバス需要を踏まえた運行計画の最適化に向けてシステム化をすすめ、2019年度ダイヤ改正の計画策定から活用。将来的には、気象データや人口統計などのオープンデータとの連携や、AIを活用した需要予測などを検討し、本システムの高度化をめざす。