イタリアの地方都市に新型車両納入 日立レールが新線プロジェクトに参加(イタリア・ブレシア市)

海外鉄道プロジェクトのニュースが相次ぐ日立から、イタリアの地方都市でのトラム(路面電車・LRT)車両新製の情報が発信された。
日立製作所の海外事業会社・日立レールは、イタリア・ブレシア市の市営交通事業者のブレシア・モビリタとの間で、新しいトラム路線・T2線の整備契約を結んだ。新線建設はイタリアの現地企業が主導し、日立レールはアルストムと共同でプロジェクトに参加する。フランスに本社を置くアルストムは、世界2大鉄道メーカーの一つ。
イタリア北部のブレシア市は人口約20万人。長靴に例えられるイタリアで、最上部の真ん中に位置する。
新路線はペンドリーナ~フィエラ間11.3キロで、ブレシア市西側を南北に結ぶ。全線複線で、全体の72%が専用レーン、28%が併用軌道を走行する。停留所は21カ所で、フィエラに主要車両基地、ペンドリーナに補助車両基地を置く。
給電方法は約8.2キロ区間が架線。約3.1キロ区間は景観への影響に配慮してバッテリー走行する、ハイブリッド方式を採用する。
日立レールは新型車両18編成に加え、沿線と車上の通信・信号機器を納入。車両は快適性や環境性能、革新性を重視して設計・開発する。
プロジェクトの総契約額は3億2600万ユーロ(約542億円)で、うち日立レールの契約額は約7700万ユーロ(約128億円)。
日立レールグループのルカ・ダキーラCEO(最高経営責任者)は、「ブレシア市で最高レベルのトラム輸送サービスを提供し、マイカー交通から公共交通へのシフトを促して、移動の脱炭素化を加速させたい」とコメントした。
記事:上里夏生