三浦雄一郎の超人的な前進力とあくなき挑戦_それを支えるメンタルはシンプルだった、ブレてなかった

2019.03.04

アルゼンチン、南米大陸最高峰アコンカグアをめざす80代の鉄人が、その頂上を目の前にして流した涙とは――。

その男とは、「世界最高峰エベレスト山に登った最年長男性」で、プロスキーヤーの三浦雄一郎さん。

86歳の彼は、都内で行われた「朝日新聞ReライフFESTIVAL 2019」に登壇。シニアたちで満席となった会場で、超人的なエピソードを独特のユーモアをまじえながら、「86歳南米最高峰に挑む気持ち」を語ってくれた。

「だいじょうぶだ。まだ行ける」頂上を目前にしてまさかの……

三浦雄一郎さんの目に、不意に涙があふれてきたのは、ベースキャンプのテントのなかだった。あの鉄人に、涙――。

南米大陸最高峰アコンカグアの頂上をめざし、酸素の薄いベースキャンプで待機中、彼にとっては衝撃なひとことをチームドクター大城和恵医師(51歳)から告げられる。

息子 三浦豪太さんの説得を「だいじょうぶだ。行ける」となんども突っぱね、酸素の薄いなか沈黙を貫いたがが、あきらめた。

「スキーと山が元気のもと」「もう一度トライする」

アコンカグア登頂を断念して帰国し、90歳を手前になにを思うかというと、これまた超人。

「90歳になったら、もう一度、エベレストにトライしようじゃないか」

糖尿病になっても、高血圧を患っても、「スキーと山が元気のもと」ってことで、山へ登る。

で、また転ぶ。数年前、地元・北海道で、スキーのジャンプで失敗し、氷の上に転倒。大腿骨や骨盤を複雑に骨折してしまうアクシデントに見舞われた。

が、鉄人はここでも、ただじゃ起きない。

鉄人の「攻めの健康」から学ぶ、姿勢と気持ち

「手術も難しい。治ったとしても車いす生活は免れない」と医師から通告された。

そこからが、彼の超人的なメンタルに火がつく。「よし、治してやろう」ってことで、まず食から大改造する。

「北海道は秋から鮭がとれる。魚屋では、頭と骨を捨てる。これをしょっちゅうタダでもらってきて、コブ、にんにく、生姜、ごぼう、にんじん、玉ねぎ、大根といろいろ入れながら、頭から中骨、尻尾の先まで鉄鍋で煮る。これを主食にした」

2か月たったころ、医師を驚かせる。「折れてた骨が、正常な位置でつきはじめている。中学生ぐらいの速さで骨折が回復している」と。

ここに、三浦雄一郎流の「攻める健康法」がある。

立ち止まることなく前へ前へ、その原動力とは

「いつも2キログラムや5キログラムという重いものを背負ってあちこち歩く、しょっちゅう山や丘を歩くといった日々のトレーニングのおかけが、70歳代になっても骨密度は20歳代レベルだった」

そして、このあとリハビリを経て、車いす、松葉づえを使い、2年間で回復して、80代でエベレスト登頂を達成してしまった。

―――そんな鉄人の話を聞き入るシニアたちは、三浦雄一郎さんのユーモアとその超人ぶりに大笑いしながら拍手。

トークの最後に教えてくれた「三浦雄一郎を支える原動力」は、シンプルだ。ブレてなかった。

それは、「目標をもつこと」「年齢に関係なく挑戦すること」。

この“両脚”が、鉄人の高齢メタボ体質を支え続け、前へすすむチカラを生み出している―――。
 
 
 
◆ ◆ ◆

朝日新聞社は、アクティブ世代の自分らしい生き方を応援する文化祭「朝日新聞ReライフFESTIVAL 2019」を3月1日、東京のロイヤルパークホテルで開催。

この日は、関根勤&麻里の親子トークショーをはじめ、歌手・加藤登紀子のトーク&ライブ、落語家・五街道雲助師匠の落語、プロスキーヤーで冒険家の三浦雄一郎プロの講演などが行われた。

<朝日新聞 Reライフネット>
アクティブシニアのための情報マガジン
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