トヨタ自動車(トヨタ)は、豊田市と岡崎市にまたがる山間部に新たなテストコースを開設した。

その名も、「Toyota Technical Center Shimoyama」

「自動車事業が100年に一度の大変革時代をむかえるなか、将来のクルマに求められる走行性能や環境性能、安全性をより高い水準で実現し、世界中のユーザーへ「もっといいクルマ」を届けていく」というトヨタ。

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「そのために、豊田市の本社地区における研究開発機能を強化。2023年度の本格稼働までに、総額約3,000億円を投資し、用地取得や施設建設をすすめ、完成時には約3,300人の従業員が同施設にて勤務する予定」(トヨタ)

75メートルの高低差と多数のカーブ

今回運用を開始した全長約5.3kmのカントリー路は、世界屈指の過酷なコースとして知られるニュルブルクリンクを長年走りこんできた経験をもとに、自然の地形を活かした約75メートルの高低差と多数のカーブが入り組んだ、厳しい走行環境を持つテストコースとして設計。

今回の運用開始時には、まず評価ドライバーを中心に約50名が勤務する。

豊田章男社長「クルマ本来の走る喜びを持ったクルマづくりに挑戦」

トヨタ豊田章男社長は、Toyota Technical Center Shimoyama 開設にあたって、こうコメントしている。

「これまで5大陸走破プロジェクトやニュルブルクリンク24時間耐久レース、世界中でのさまざまなテスト走行などの場などを通じ、道と語り、クルマと語ることで“もっといいクルマづくり”を目指してきた」

「今回、それらの経験を元に、世界中の多種多様な“道”を新たなテストコースに再現。世界中でのテスト走行に加えて、新たなテストコースが再現する厳しい走行環境のもとで、すべてのクルマを徹底的に鍛え上げ、クルマ本来の走る喜びを持ったクルマづくりに挑戦する」

「CASE(Connected、Autonomous、Sharing & Services、Electrification)によるモビリティのあり方が大きく変化する時代だからこそ、現地現物でのリアルなクルマづくり、感性性能には徹底的にこだわり、ユーザーに笑顔を届けできるよう努力していく」

同テストコースは、2023年度の本格稼働時までに、東工区には高速評価路や世界各地の特殊な路面を再現した特性路、西工区には車両開発施設を設置し、緑に囲まれたオープンな環境を整備。

新研究開発施設の建設には、環境保全の取り組みとして、敷地面積(約650ha)の約7割で、その土地本来の森林を残し、保全を実施。

緑地を新たに造成し、自然環境の適切な維持・管理に努めていくという。