ちょっとだけ五能線に乗るツアー 晩夏鉄道旅顛末記19【50代から始めた鉄道趣味】165
※2016年11月撮影
トップ画像は、岩館駅に停車中の弘前行。先頭車両はキハ48 1509。
驫木駅を出て追良瀬駅に近づくと海岸線から少し離れます。
※2014年7月撮影
驫木駅から3.1kmで追良瀬駅。待合室があります。
追良瀬駅は1934年(昭和9年)開業。1986年(昭和61年)無人化。元は島式ホーム1面2線でした。確かにホームを見ると柵の向こう側が元島式ホームだったことが分かります。
この駅周辺は人家が多いのが上の写真でも分かります。
追良瀬駅を出るとまた日本海が見えてきます。伊豆急に乗って明るい太平洋を眺めているのとは気分が違います。重く陰鬱とか日本海を表す様な、そーいう通りいっぺんの印象がやはり強くあります。
※2014年7月撮影
はるかに高い空を海鳥が一羽舞っていて、黒い波消しブロックに白い波飛沫が押し寄せています。無音のフィルムを眺めている様な、どこかしら無責任な閉塞感があって、舟歌を聴きながらお酒を飲んだら美味しいだろうな、という気分です。
そんな阿呆な想像を玩んでいるウチに追良瀬駅から2.1kmで広戸駅に着きました。
駅名標。1954年(昭和29年)開業した駅です。
※2016年11月撮影
駅前は道路。何もありません。列車の後方は追良瀬駅方面です。
※2016年11月撮影
ホームの深浦駅側に小さな駅舎があります。
※2016年11月撮
この駅の周囲も住んでいる人は多くありません。駅を中心にした半径500mの円内には3世帯7人が生活しているだけす。広戸の集落は駅の西南600m以上離れているのです。それで半径を1kmに広げると38世帯98人に増えます。というか直径2kmに二桁しか人がいないのですから多くはありません。円の半分近くが海ですから、その分差し引かなければいけませんが。
この列車の終点深浦駅に向かいます。奇岩というか、岩場が続きます。
※2014年7月撮影
やはり太陽が出ると海の表情は一変します。
※2016年11月撮影
広戸駅から3.9kmで深浦駅に到着。ここでツアーの集団は下車。駅前に駐められた観光バスに乗り込んでいきました。正直言ってホッとしました。これで静かになるかな。
川部駅から深浦駅までは80.3km。129分かかりました。この時点でほとんど列車の遅れはありませんでした。五能線が147.2kmですから全距離の55%を走り終えたことになります。東能代駅までは、まだ66.9km残っています。
予定では、1時間45分後の14:32発東能代行に乗って101分乗車します。ところが、ここから先がタイヘンだったのです。
とりあえず昼食を食べに傘をさして駅を出て歩き始めたら傘が全く役に立たない勢いの豪雨になりました。視界が悪くて国道を横断するのに躊躇するほどヒドイ降り方でした。駅の方に教えてもらった食堂まではまだ距離があったので眼にはいってきた「ランチ」の看板の店に逃げ込みました。
ついてるのか、そうじゃないのか、ランチをオーダーして坐ったら雨がやみました。でもジーンズもスニーカーも水が滴る状態。ギンギンに冷えた食堂で寒さに震えました。(笑)
その食堂からの眺め。海が目の前。
時間はたっぷりあります。ランチをゆっくり食べて駅に戻ります。
(写真・記事/住田至朗)